ITをもちいた人工社会システムにおける政策科学に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13780356
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会システム工学
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Research Institution | Ritsumeikan University (2002) Tokyo Institute of Technology (2001) |
Principal Investigator |
鐘ヶ江 秀彦 立命館大学, 政策科学部, 助教授 (90302976)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 人工社会 / デジタル・プランニング / 政策科学 / 政策形成シミュレータ |
Research Abstract |
本研究は2年間で、人工社会としての具体的なケースを仮想空間の国家・地域・都市に設定する。この空間はインターネット上に構築されるゲーミング/シミュレーション用に開発中であるPANGAEA国を基礎とした。 この空間を用いて持続可能な開発に関連する計画項目の統合と、計画知識ベースに基づく計画支援システム(META-PLANNING)及び、様々な計画手法や計画技術の支援システムをシミュレーションに実装し、デジタル・プランニング・システムとしてインターネットを通じた供用ツールとして構築を行った。 そこで、初年度は特に実際に利用される交通から環境・防災・経済といった多岐にわたり、かつさ様々なシミュレーション・モデルや計画立案モデル、都市・地域モデルを統合し、政策変数を投入可能なプロトタイプとしての4CPUクラスターによるデジタル・プランニング・システムの開発を行った。 次いで、主に大都市を想定した多様な住民を人工社会に再現させるべく、時間・空間をあらわす二点交叉による複数主体の合意形成モデルのプロトタイプの開発を行った。特に都市部で問題となる迷惑施設立地や環境紛争のプロセスを人工社会上で、先に開発した社会経済シミュレータと矛盾なく挙動を再現できるのかということに設計要件を定め、さまざまな社会的合意形成過程を、自己の私的計画を公的計画に修正する意思決定過程を遺伝的アルゴリズムによって開発を行った。このシミュレータが、本当にうまく機能するかどうかを確かめるため愛知万博の候補地選定における合意形成過程の再現を行ったところ、時間と空間の挙動が適切に再現された。またバンコクを途上国の大都市の例としてデータ収集を現地にて行い、ルールベースにより通信および強化学習を行い交通動態を再現するためのマルチ・エージェント型の都心商業地区での歩行者動線および幹線道路の道路流量システムの開発に着手したが、実際の挙動を適切に再現できるところまでは到達できなかったが、障害物や誤情報による回避行動は一部再現ができたため、これを被災時の社会(集団)逃避行動としてのプロトタイプシミュレータとして適用可能であるため、日米防災会議で発表を3月に行う予定である。 多様な住民を人工社会に構築し、実利用に耐え得るデジタル・プランニング・システム開発を目指した本研究は未だ開発途上にあるが、少なくとも政策変数の投入により変化する社会経済の動的モデルと人工社会の挙動を統合してもさほど大きな矛盾が起きないことが一部ではあるが確認できたことは今後の研究開発の大きな収穫であった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)