琵琶湖におけるカワウ問題解決への地域統合生態経済モデルの構築
Project/Area Number |
13780422
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木庭 啓介 京都大学, 情報学研究科, 助手 (90311745)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | カワウ / 生態系生態学 / リモートセンシング / 同位体 / GIS / インターネットアンケート / コンジョイント分析 / 一対比較法 / 養分循環 / 森林生態系 / 鳥害 / 環境評価 / アンケート |
Research Abstract |
近年琵琶湖沿岸の森林にカワウの大繁殖が認められるようになり、付近の漁業への影響、営巣に伴う森林衰退、景観悪化といった問題が浮上してきている。本研究は社会の要求に応えるべく、生態系生態学、特に安定同位体を用いた手法をベースとした森林衰退調査に加え、環境保護(カワウの環境材としての価値)の立場からそれぞれに調査した。 滋賀県近江八幡市伊崎国有林での2年間にわたる同位体測定により、植物と土壌の窒素同位体比がカワウの営巣履歴を表すパラメーターとして利用できることが分かった。そこでGPSを用いた広域サンプリングを行い、同位体によるカワウ営巣履歴マップをGIS上で構築した。この被害マップは2000年撮影の衛星写真から得られる被害状況(NDVI)のうち、非常に枯死が進んでいる部分と良い対応を見せた。しかし同位体比から得られる被害状況は衛星写真のそれと比較して大きく、カワウのフンの影響は、目に見える「枯死」というような現象よりも広範囲に及んでいることが示唆された。これはカワウの営巣がもたらす物質循環系への影響と、植物そのものの枯死という最終段階まで至る影響とのあいだのタイムラグを表しており、被害拡大状況のモデル化に有効なパラメーターであることが考えられる。 また、アンケート手法をもちいて、「カワウ問題」にまつわる一般市民の認識における差違、そして漁業従事者が持つ漁獲高減少の原因に対する印象についての調査を行った。一般市民の「カワウ問題」に対する認識にはさまざまなパターンがみられ、合意形成に至る際にはこれらの差違を定量的に把握することの重要性が示された。また漁業関連者の中でも、漁獲高に影響すると思われる要因はその漁法、漁場などで認識が異なっており、漁業関連者というカテゴリーを更に細分化して「カワウ問題」との関連を考慮してゆく必要性が示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)