Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
【研究の概要】湿原保全を考える際には湿原のみに焦点を当てた研究では実質的に成果を上げることは不可能である。この解決のためには,流域全体をマクロ的な視野に入れ水文特性・懸濁物質の輸送形態の定量化という面から捉えなおす必要がある。本研究で行った内容は釧路湿原およびその流域を対象とした次の3点である。1.流域の水収支・汚濁負荷の把握および湿原に負荷される懸濁物質の総量と年間変動の算出。2.濁水の氾濫状況及び植生群落の変動に関してリモートセンシング技術を用い、調査・実測グラントトゥルースデタと融合させた土砂拡散域と植生分布域についての空間変動の解析。3.以上の研究成果と地理情報とをGISの中で統合化する。さらに、湿原変動関する時空間的な解析とモニタリング手法の開発。 【平成14年度の研究概要】LANDSAT画像をもとにした,氾濫濁水濃度指数WTIの開発し,現地観測データとのキャリブレーションを通しその精度を向上させた。濁水拡散データをもとに,釧路湿原における流入河川からの汚濁負荷についてWTI画像を利用しその時空間変動をモニタリングした。この解析方法を利用することによって,次の点を明らかにした。1)湿原に氾濫している濁水の最大濃度約90ppmを示した部分は排水路末端部と久著呂川の氾濫部分で名居排水路末端から下流に約3km付近である。また濁水の氾濫は釧路川の主流を中心に広がっており,濁水はキラコタン岬のほぼ南側にまで達していた。2)1984年当時の氾濫原には明瞭な濁水流路は確認できず,流入河川末端を出発点として,東側は約2〜3km,西側はキラコタン岬までの範囲に広く拡散していたと判読された。これは湿原内で流路が消滅し,ハンノキ林の表層を濁水が網状に流れ,氾濫原の各地に水溜り状の場所が出来ているものと考察された。3)画像の中での濁水の拡散状況は1994年が特異的であった。これは経年的な変化ではなく,衛星がこの画像を撮影した直前に降雨があり雪融けが一気に進んだ結果一時的に湿原の表面に濁水が広がっている事が原因であると結論付けた。
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