Project/Area Number |
13780459
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境保全
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Research Institution | Kobe University of Commerce |
Principal Investigator |
兒山 真也 神戸商科大学, 商経学部, 講師 (30305677)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | スタンード・ギャンブル / 交通事故 / 傷害 / 外部費用 / 経済評価 / 交通 / 後遺障害等級表 / 金銭的評価 / スタンダード・ギャンブル法 |
Research Abstract |
われわれは自動車交通により発生する外部費用を定量的に計測する試みを行ってきたが、本年度は特に交通事故による傷害の評価に重点を置いた。死亡についてもわが国において十分な研究がなされてきたわけではないが、傷害についてはほとんど手付かずであったといってよい。内閣府などによる試算例もあるが、それらは損害保険データをもとに人々の選好とは無関係な値を援用しているにすぎない。 そこでわれわれは、英国等においてJones-Leeらを中心としたグループなどにより適用例がある、スタンダード・ギャンブルというアンケート手法に若干の拡張を加えて用いることで、様々なレベルの傷害を死亡に対する重みとして表現し、さらに人々が死亡を避けるための支払い意志額である確率的生命価値(ただし生産損失を控除する)を掛け合わせることで金銭的な表現も行った。 調査は1次調査と2次調査からなる。1次調査では全国の一般市民を対象に、以下4タイプのアンケート票を用い、重傷(後遺障害)の死亡に対する重みを測定した。(1)日本の傷害分類・私的な選好を問う、(2)日本の傷害分類・社会的な選好を問う、(3)英国の傷害分類・私的な選好を問う、(4)英国の傷害分類・社会的な選好を問う。ここで社会的な選好とは、傷害が回答者自身に発生したものではなく、他者に発生した状況を想定して答えてもらうものである。その結果、私的選好と社会的選好との間に有意な差はみられなかった。また英国の既存研究と比較して傷害がやや重く評価されている傾向がみられた。 2次調査では学生を対象に、選択肢の提示の仕方で回答が影響されるかどうかを確認するための2タイプのアンケート票を用い、重傷及び軽傷の死亡に対する重みを測定した。いずれのタイプも日本の傷害分類に基づき、私的な選好を問うている。選択肢の提示の仕方の影響については明確な結論は得られなかった。 具体的に推奨し得る数値例としては、重傷の重みは0.224程度(日本の傷害分類・私的選好・平均値)、軽傷の重みは0.0239などである。生産損失を控除した確率的生命価値を1億5000万円と仮定すると、重傷で3363万円、軽傷で359万円程度である。また日本全国における年間の総額では重傷1.8兆円、軽傷4.1兆円程度である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)