Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
フラボノイド系のP450の反応の理解と応用を目的として,以下の解析を行った. 1.IFS反応の機構の解析:イソフラボンの骨格はaryl基転位を伴う水酸化反応を触媒するP450,2-ヒドロキシイソフラバノン合成酵素(IFS)により形成される.ユニークな転位の機構を明らかにし,IFSの分子進化を検討するため,ホモロジーモデリングに基づく変異導入と,酵母系でのアッセイを行った.その結果Ser 310,Lys 375,Leu 371が基質と相互作用し,反応に必須の鍵残基であることがわかった.これらの残基に変異を入れると,非転位反応物(フラボン,3-ヒドロキシフラバノン)が増加,または唯一の生成物となることから,IFSがフラボン合成酵素やフラバノン3-水酸化酵素より進化してきた可能性が示唆された. 2.アヤメ科のイソフラボン生合成:イソフラボノイド系遺伝子の分子進化を検討するため,非マメ科でのイソフラボンの検索を試みた.キショウブの葉からカルスを誘導し,塩化第二銅を処理すると,イソフラボンと予想される化合物が蓄積した.この細胞を利用して,機能発現スクリーニングにより,イソフラボノイド系P450 cDNAのクローニングを行う予定である. 3.P450形質転換植物の解析:植物高発現プロモータの下流にIFS cDNAをつなぎ,マメ科ミヤコグサを形質転換し,組換え植物を作製した. 4.フラボノイド系P450の応用:IFS発現酵母より調製した2,7,4'-trihydroxyisoflavanoneを利用して,機能発現スクリーニング法によりメチル化イソフラボン合成系のメチル基転移酵素(OMT)cDNAをマメ科カンゾウから得た.この酵素はエンドウのファイトアレキシン系酵素と同一であることがわかった.生合成反応が効率的に細胞内で行われるために,OMTとIFSが相互作用している可能性がある.今後解析を行う予定である.
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