血球系以外の組織におけるチロシンキナーゼSykの機能解析
Project/Area Number |
13780506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
定 清直 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10273765)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 細胞内情報伝達機構 / 蛋白質チロシンリン酸化反応 / 蛋白質チロシンリン酸化酵素 / アダプター蛋白質 / Syk / 3BP2 |
Research Abstract |
昨年の成果に基づき、チロシンキナーゼSykの機能解析を継続した。 1.標的分子の同定と機能解析:昨年度Syk会合蛋白質の一つとして酸化ストレスにより活性化するp21-activated protein kinase (γ-PAK)を同定した。本年度は、非血液細胞を用いて浸透圧と酸化ストレスによるシグナル伝達系路におけるPAKとSykの機能について解析を行った。PAK-Syk会合がSykのキナーゼ活性を正に制御し、細胞内局在変化や下流のJNK活性を刺激していることを見出した(投稿中)。さらにSykの基質であるRING型ユビキチン・リガーゼc-CblによるチロシンキナーゼLynのユビキチン化とキナーゼ活性のダウン・レギュレーションを見出した(投稿中)。 2.新規Syk標的分子3BP2の機能解析:昨年度新規Syk標的分子として同定した3BP2は他のグループによりヒトの遺伝疾患ケルビン症の原因遺伝子であり顎骨の破骨細胞の機能異常に関わることが報告された(Ueki, et al. Nat. Genet.2001)。本年度は3BP2がマスト細胞の抗原による活性化を正に制御する分子であることを報告した(Sada, et al. Blood 2002)。アレルギー反応に関わるマスト細胞において3BP2は抗原刺激による細胞内カルシウムイオン濃度上昇と脱顆粒反応を制御する重要な因子であることが見出され、その制御がアレルギー疾患の治療に応用出来る可能性が明らかとなった。Sykによる3BP2のリン酸化部位としてチロシン174、183、446を同定し、446のチロシンリン酸化がチロシンキナーゼLynとの会合に必須であることを見出した(投稿中)。 3.遺伝子治療の可能性の探究:Sykの基質であるCbl/Cbl-bのアミノ末端に細胞膜局在配列を付加したキメラ分子を作成し、細胞に導入することにより癌細胞の増殖における作用を解析した。血液系のマスト細胞では抗原受容体とチロシンキナーゼのユビキチン化の増強が見出され、抗免疫・抗腫瘍効果をもつ遺伝子治療への可能性が見出されたが、非血液系の細胞では著明な影響が見られなかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)