Project/Area Number |
13780521
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
海野 雅司 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (50255428)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 光受容蛋白質 / 共鳴ラマン分光 / 密度汎関数法 / 中間体 / 光反応サイクル / 振動分光法 / ダイナミクス / 機能 / 共鳴ラマン分光法 / 蛋白質 / 振動分光 |
Research Abstract |
本研究の目的は光受容タンパク質のイエロープロテインをモデルとして用い、タンパク質の機能発現メカニズムを分子構造との関係から解明することである。特に本研究では分子構造解析のための強力な手段である共鳴ラマン分光法と量子化学計算を用い、このタンパク質が示すいくつかの光反応サイクル中間体の構造決定や吸収波長制御の解明を行った。 本年は発色団由来のラマンバンドの完全帰属に成功して中間体における構造解析を行うと同時に,吸収波長制御のメカニズムに関する知見を得た。また紫外光をプローブにした紫外共鳴ラマン分光による蛋白構造の解析も行った。得られた主な結果は以下の通りである。 1.もっとも寿命が長く信号伝達に関与していると考えられる中間体の共鳴ラマンスペクトルを測定し、同位体ラベル効果の検討や密度汎関数法による詳細な振動解析からラマンバンドの帰属に成功した。帰属の結果から発色団の脱プロトン化状態や異性化状態を明らかにした。 2.詳細なラマンスペクトルの解析から、光反応サイクル解明の鍵を握る短寿命中間体には複数のコンフォメーションが存在することを見い出した。 3.活性部位近傍に位置して発色団と水素結合しているアミノ酸残基を置換した変異タンパク質のラマン測定から、タンパク部分との水素結合が発色団のプロトン化状態を制御することで吸収波長の制御を行っていることを見い出した。 4.紫外光をプローブに用いた紫外共鳴ラマン分光により、タンパク部分由来のラマンスペクトルの測定を行った。励起波長依存性などから、構造変化しているアミノ酸残基の同定に成功した。
|