小胞体ストレス応答における環境変化認識メカニズムの解明
Project/Area Number |
13780575
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
木俣 行雄 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (60263448)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | RNA / 分子シャペロン / UPR / スプライシング / BiP / Ire1 / シャペロン / オルガネラ / 変性 / 細胞生物学 / 出芽酵母 / 転写調節 / 環境応答 |
Research Abstract |
私の目的は、小胞体ストレスセンサー蛋白質Ire1の活性制御メカニズムを解明することである。そのために本研究で私は、出芽酵母BiP遺伝子変異株の、詳細な表現型解析を行った。BiPは、小胞体内在性のHSP70ファミリー分子シャペロンである。以前に私は、非ストレス条件下で培養された出芽酵母細胞内では、BiPとIre1は会合しており、小胞体ストレスを与えると、それが解離することを見いだしている。今回の研究では、用いた5個のBiP遺伝子変異株は、その表現型に応じて、2種類に分類できることが分かった。3個のBiP遺伝子変異株では、小胞体ストレス状態においても、BiPとIre1の解離が認められず、かつ、Ire1は活性化しなかった。一方、残り2個のBiP遺伝子変異株では、非ストレス条件下でもBiPとIre1の会合は弱く、Ire1は常に活性化していた。これらの知見は、BiPとIre1の物理的な相互作用が、Ire1の活性を制御していることを示している。また私は、シャペロン基質となるモデル折り畳み不全タンパク質とBiPとの結合状態を、上記のBiP遺伝子変異株で調べた。その結果と、上述のBiP-Ire1の会合/解離の異常を比べることにより、モデル折り畳み不全タンパク質とIre1は、同一の様式でBiPと物理的相互作用することが示唆された。このことは、構造異常タンパク質とIre1が、BiPとの結合を巡って競合することを意味する。小胞体ストレス条件下では、小胞体に蓄積した大量の構造異常タンパク質がBipに結合し、その結果、BiPと結合出来なくなったIre1が活性型となり、小胞体ストレス応答を引き起こすと考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)