プロテインキナーゼCによるp21タンパクのリン酸化と細胞周期制御機構
Project/Area Number |
13780578
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
柏木 麻里子 昭和大学, 腫瘍分子生物学研究所, 助手 (80296962)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 上皮細胞 / 細胞分化 / 細胞増殖 / 細胞周期 / シグナル伝達 / Cキナーゼ / p21 |
Research Abstract |
扁平上皮細胞の分化過程におけるCキナーゼη分子種(PKCeta)とp21の相互作用に着目し解析を行った。 PKCetaは表皮ケラチノサイト内でcyclin E/cdk2/p21と複合体を形成し、複合体内のp21のS146とS153をリン酸化する。 擬似リン酸化変異体を用いた解析により、S153のリン酸化はp21の細胞内局在を、核から細胞質に変化させることがわかった。また、S146のリン酸化は核に局在するp21のタンパク安定性には影響を与えないが、細胞質に存在するp21のタンパク分解を促進させることがわかった。 表皮ケラチノサイトにPKCetaを過剰発現させると、p21タンパク量が顕著に減少する。p21量の減少はプロテアソーム阻害剤添加により回復した。また、増殖中の細胞ではp21は核に局在するが、増殖を停止し、分化した細胞ではその局在が細胞質に移行することがわかった。S146がリン酸化されたp21の局在をリン酸化認識特異抗体(αS146p21Ab)により検討したところ、PKCetaを発現させた細胞では、リン酸化p21は細胞質に局在することが確認された。 S146、S153、及びS146とS153の非リン酸化変異体(A置換型;A mutant)と擬似リン酸化変異体(置換型;E mutant)のアデノウイルスベクターを作製し、上皮細胞の増殖分化に及ぼす影響、PKCetaとの相互作用について検討した。細胞質局在型p21を発現させた場合のみPKCetaが誘導するケラチノサイトの終末分化が抑制されることがわかった。 以上のことは、PKCetaが細胞質においてp21をリン酸化し、その分解を促進させることが終末分化の誘導に重要であることを示唆するものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)