エンドサイトーシス膜系における位置情報に基づく細胞のシグナル統合機構の解明
Project/Area Number |
13780580
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
大橋 正人 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (90290915)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | コレステロール代謝 / NAD(P)Hステロイド脱水素酵素様タンパク質 / 脂肪滴 / CHILDシンドローム / エンドソーム / メンブラントラフィック / TIP47 / 変異株 / シグナル伝達 / リソゾーム / 多胞体 / NAD(P)ステロイド脱水素酵素様タンパク質 |
Research Abstract |
本年度は細胞内膜系の受容体分子選別輸送調節におけるコレステロール代謝の役割と、その発生シグナル制御などの生理的意味の解明を目的に、研究を進めた。今回、ラノステロールのコレステロールへの変換に関与しているNAD(P)Hステロイド脱水素酵素様蛋白質(Nsdh1)が、哺乳動物細胞内の脂肪滴(lipid droplet)周囲に偏在することを見いだし、また、その局在の異常が、形成異常に結びつく可能性を示唆するデータを得た。哺乳動物の後期コレステロール生合成酵素群は小胞体に一様に分布するとされてきたが、予想に反し、Nsdh1が脂肪滴に偏在することを初めて確認した。細胞の増殖がNsdh1を介するコレステロール合成に完全に依存する条件でも、Nsdh1が脂肪滴上に局在することから、活性を持つNsdh1が脂肪滴上に存在すると考えられる。ところが、ヒト胎児発生異常であるCHILDシンドロームの原因となるミスセンス変異G205Sを持つNsdh1は、脂肪滴上に局在することができず、不活性型であった。一方、後期エンドソームでのインスリン様成長因子2/マンノース6-リン酸受容体(IGF2/MPR)の選別をになう蛋白質であるTIP47が、Nsdh1の存在する脂肪滴上に局在することを見いだした。Nsdh1の発現は、LEX2変異株での、コレステロール欠乏に起因する、後期エンドソームでの異常なIGF2/MPR選別を修正することがわかっている。したがって、脂肪滴表面が、コレステロールとTIP47に依存する、受容体選別輸送制御の機能ドメインとして働いている興味深い可能性が示唆された。以上の結果より、脂肪滴のこれまで考えられていなかった多様な機能と、発生分化における受容体機能制御との関連が注目される。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)