Project/Area Number |
13780586
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research (2002) Tohoku University (2001) |
Principal Investigator |
布施 直之 理化学研究所, 非対象細胞分裂研究グループ, 研究員 (80321983)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / 神経幹細胞 / 非対称分裂 / ヘテロ3量体G蛋白質 / Gβ13F遺伝子 / 微小管 / スクリーニング |
Research Abstract |
ショウジョウバエの神経幹細胞は、非対称分裂を研究するよいモデルである。胚発生の時期に、神経幹細胞は表皮面に対して垂直方向に分裂し、大きさの異なる2つの娘細胞を生む。小さい娘細胞は神経前駆細胞の性質を獲得し、大きい娘細胞は元の幹細胞の性質を維持する。今までに、前駆細胞側への運命決定因子の分配などが明らかとなってきた。しかし、娘細胞の大きさの非対称性など、未解明の問題も多い。本研究は、大規模なスクリーニングから、神経幹細胞の非対称分裂に異常が起こる突然変異を同定し、非対称分裂のメカニズムを明らかにすることを目的とした。ethylmethane sulphonateを変異原として用いて、点突然変異を誘導し、劣性致死変異系統を作製した。運命決定因子のアダプター蛋白質Mirandaを指標にスクリーニングを行った。2100系統中6系統で、神経幹細胞の非対称分裂に異常が観察された。その内の1つは、既知のdiscs largeの変異系統であることがわかった。その他に、分裂軸が規定できない変異、Mirandaの局在と分裂軸が協調できない変異3系統、同じ大きさの娘細胞に等分裂する突然変異を同定した。この中から、同じ大きさの娘細胞に等分裂する突然変異に注目し、さらなる解析を行った。変異の神経幹細胞の分裂における微小管を観察したところ、本来起こる紡錘体の大きさの非対称性が失われ、両極とも安定した微小管を形成していた。ゲノムDNAの解析から、この突然変異の原因遺伝子は、三量体G蛋白質のβサブユニットをコードする、Gβ13F遺伝子であることがわかった。Gβ13Fの過剰発現は、分裂時の微小管の形成を阻害した。これらの結果から、極性をもった三量体G蛋白質のシグナルが微小管の形成に非対称性をつくり、非対称な紡錘体によって神経幹細胞が不等分裂していると考えられる。
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