細胞特異的遺伝子導入システムを用いた神経堤細胞の発生分化に関わるシグナルの解析
Project/Area Number |
13780592
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
福原 茂朋 熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (70332880)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 神経堤細胞 / エンドセリン / レトロウイルス / TVA / 遺伝子導入 / 鰓弓 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
エンドセリン-1(ET-1)/ETA受容体(ETAR)シグナルは、鰓弓形成に関与する頭部神経堤細胞の発生に重要な役割をしているが、その分子機序については不明な点が多く残されている。本研究では、この疑問を解明するため(1)ETARを発現する頭部神経堤細胞のgreen fluorescence protein (GFP)によるマーキングおよび(2)これら細胞への特異的な遺伝子導入システムの開発を行なった。 まず、(1)の系を開発するためETARプロモーターによってGFPが発現するトランスジェニックマウス(ETAR/GFP Tgマウス)を作製した。このETAR/GFP Tgマウス胚を解析した結果、ETARを発現する頭部神経堤細胞においてGFPの発現が認められた。また、ETRAは血管平滑筋細胞にも発現することが知られているが、ETAR/GFP Tgマウスの各種血管においてもGFPの蛍光が観察され、これらGFP陽性細胞はETARを発現する血管平滑筋細胞であることが示された。よって、我々はGFPによるin vivoでのETRA発現細胞のマーキングに成功し、さらにFACS技術を併用することによりこれら細胞の単離を可能にした。 ついで、Rcas-TVAシステムを応用して(2)の開発を試みた。TVAはトリレトロウイルス受容体であり、哺乳動物細胞はこの遺伝子を持たないが、TVAを外来的に発現させることによりRcasウイルスによる感染を受けるようになる。そこで、ETARプロモーターによってTVAが発現するトランスジェニックマウスを作製し、ETAR発現細胞特異的遺伝子導入システムの開発を試みた。このマウスの胎仔線維芽細胞系、鰓弓器官培養系、全胚培養系におけるRcasGFPウイルス感染による遺伝子導入効率を検討した結果、すべての系においてGFPの発現が観察され、その有用性が示唆された。今後、これらのシステムを用いて神経堤細胞の発生におけるET-1/ETARシグナルの解析を進めていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)