高親和性コリン取り込みによるアセチルコリン合成制御
Project/Area Number |
13780611
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥田 隆志 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00322040)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | アセチルコリン / コリントランスポーター / 単一塩基多型 / コリン / トランスポーター / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
研究代表者らはコリン作動性神経においてアセチルコリン合成を律速する高親和性コリントランスポーター(CHT1)のクローニングを2000年に報告し、CHT1の機能調節機構を中心に研究を進めた。CHT1を過剰発現させた哺乳類培養細胞、神経芽腫細胞、あるいはラット胚前脳基底野初代培養(17日胚)におけるCHT1の細胞内局在変化を調べた。免疫細胞化学的観察でCHT1の細胞内局在を調べたところ、小胞体などの細胞内小器官や一部の原形質膜などに分布していた。細胞表面タンパク質を親水性ビオチンアナログでラベル・精製した画分のウエスタンブロットあるいはHC3結合実験により細胞表面のCHT1発現量を定量的に評価した。HC3やcAMP刺激などにより細胞表面のCHT1発現量は数倍に増加した。CHT1の原形質膜への移行の促進、あるいは細胞内移行の抑制が示唆された。また、57人のユダヤ人ゲノムDNAを用いてヒトCHT1遺伝子翻訳領域全長の塩基配列を包括的に解析した結果、CHT1の第3膜貫通領域に位置する89番目のアミノ酸IleからValへの置換(I89V)に対応する単一塩基多型(A265G)を見出した。ユダヤ人での多型頻度は6%と推測された。野生体と変異体(I89V)のCHT1をそれぞれCOS-7細胞やHEK293細胞に発現させたところ、I89Vによるコリン取り込み速度のVmax値は野生体と比較して40-50%減少していた。コリンNa^+、Cl^-、HC3に対する親和性や細胞膜表面での発現量は同程度であった。ヒトCHT1のIle-89変異体(I89A, I89F)や線虫CHO-1の変異体(V90I)もコリン取り込み活性の減少を示した。日本人の多型頻度は14%でありユダヤ人など他の幾つかの人種間と有意差があった。この多型はコリン作動性神経障害と関係する遺伝的因子である可能性が考えられるが、アルツハイマー病やレビー小体型痴呆などの神経疾患との相関は観察されなかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)