カリウムチャネルのシナプス局在と膜電位調節の分子基盤の解明
Project/Area Number |
13780615
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲野邉 厚 (稲野辺 厚) 阪大, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (00270851)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 興奮性シナプス / カリウムチャネル / 膜電位 |
Research Abstract |
神経細胞の軸索終末に伝播した活動電位はシナプス前膜から神経伝達物質の放出を促し、それとシナプスを形成するもう一方の神経細胞の膜電位を調節する。それ故に、シナプスにおける膜電位制御はシナプス間情報伝達において重要である。内向き整流カリウム<Kir)チャネルは静止膜電位をカリウム平衡電位近傍に保つため、細胞の興奮性を制御する。Kirチャネル分子の中で、Kir2.3は大脳の神経細胞に特異的に発現することが分かっていた。しかし、興奮性シナプスのシナプス肥厚部(PSD)に局在するPDZアンカー蛋白質、PSD-95と結合することが示されていただけで、その機能は不明であった. 我々はKir2.3に対する特異抗体を作製し、チャネルの神経細胞内分布を検討した。その結果、Kir2.3はPSDを付帯した興奮性シナプスのシナプス後膜に限局して存在していることが免疫電顕で明かとなった。同様の局在は大脳全体で観察されることから、チャネルの細胞内局在は特異的に制御されていることが推測された。そこでKir2.3のシナプス後膜局在を支える分子基盤を検討すると、既知のPSD-95のみならず、PDZ蛋白質のchapsyn-110がKir2.3のC末端の4アミノ醸を認臓し、結合することが判った。両PDZ蛋白質はNMDA受容体、電位依存性カリウムチャネルと結合することが知られている。そのため、Kir2.3は他の膜電位形成分子と共にシナプス後膜に集積し、シナプス膜電位調節に機能していることが推測される(American Journal of Physiology Cell Physiology,2002,in press)。 現在生理的にKir2.3活性を修飾する機構を解明すべく、シナプス後膜に存在する代謝型グルタミン酸受容体とKir23を哺乳類由来培養細胞、アメリカツメガエル卵母細胞等に再構成し、検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)