自己支持性ハニカムネットを用いた選択的細胞分離法の開発
Project/Area Number |
13780666
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 賢 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (00322850)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 自己組織化 / 細胞分離 / 生分解性 / 多孔質膜 / 生体適合性 / 血液適合性 / バイオインターフェイス / 高分子 |
Research Abstract |
Poly(ε-caprolacton)(PCL)と両親媒性アクリルアミド共重合体を重量比10:1で混合したクロロホルム溶液をガラスシャーレ上に1〜20mlキャストすることで製膜した。2〜20μmの孔径を有する多孔質薄膜を、シリコーンパッキンで挟み込み、人新鮮血を濾過した。濾過前後の細胞数は血球カウンターを用いて求めた。濾過時の活性化の指標として、β-TG産生量や溶血の確認を行った。 孔径が5.5〜9.8μmの多孔質薄膜を用いて人血液の濾過を行った場合、濾過血液中に白血球の存在は認められなかった。白血球は孔にトラップまたは幹に吸着していた。PCL膜表面は、血小板の粘着数・形態変化が多く、濾過血液中の血小板回収率の低下が観測された。一方、水不溶性で粘着性の高い新規血液適合性高分子:Poly(2-methoxyethyl acrylate)(PMEA)の0.1wt% MeOH溶液でコーティングしたPCL膜では、血小板の粘着がほとんど起こらないため、血小板回収率が上昇した。β-TG産生量は、PMEA未コーティング時に比べ約半分以下であった。さらに、濾過前後の血漿のUV-Visスペクトル測定の結果、Oxyhemoglobin由来のピークがPMEA未コーティング時に比べ有意に低下し溶血がほとんど生じないことが分かった。PMEAコーティング膜は、分離性能を維持したまま、染み出し・濾過速度を大きくできることも分かった。以上の結果から、孔径の均一な多孔質薄膜と血液適合性表面処理を組み合わせることで、細胞分離膜に要求される高選択分離性能と細胞や血液成分へのダメージの小さい表面が構築できることが明らかになった。この多孔質薄膜は、目的とする細胞をソフトトラップできるので、再生医療のためのインプラントデバイスとしても有用であると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)