Project/Area Number |
13874045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
日高 昌則 九州大学, 理学研究院, 助教授 (50037298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 秀徳 岡山大学, 工学部, 教授 (80037613)
杉山 正明 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (10253395)
前田 米蔵 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30037262)
渡邊 啓一 (渡辺 啓一) 佐賀大学, 農学部, 教授 (40191754)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 比熱測定 / ACカロリーメーター / 生体高分子 / 協同的分子運動 / 動的立体構造特性 / 比熱 / 構造相転移 / 構造変調 |
Research Abstract |
本研究では、生体高分子の溶媒中での動的ミクロ構造変調を高精度に測定するACカロリメーター比熱測定装置(ACCS)の製作と、それを使用して蛋白質分子の立体構造における協同的な変性過程に発生する微弱熱エネルギー変化(数μm)、および各種の相変性に伴われるエントロピーを調べるのが主な目的である。生体高分子の立体構造の構造的変性は主に約-5℃〜60℃の温度領域で発生して、これらの構造変化は溶媒の生理的、生化学的条件にも大きく左右される。従って、生体高分子の溶液中における構造変性を調べるのには本ACCSが有効である。 本ACCSでは、先ず(1)試料に約2〜3Hzの交流ハロゲン・パルス光を照射して、試料容器壁背面に接着した熱電対(10μm)でその交流熱流(数十μV)を高精度に検出する。また、(2)入射パルス光の周波数を測定するために光路に設置した光センサーにより電圧(数mV)を測定する。次に、電源等からのバックグランド信号を除去するために、(1)と(2)からの出力信号を同期化増幅器(ロッキンアンプ)において指定交流成分のみを高精度に測定する。さらに、交流パルス光の高調周波数成分を除くために、パソコンに収録された観測データはフーリェ、逆フーリェ変換により解析が行われる。 溶液中での生体高分子の可逆的・非可逆的な構造特性を調べるには、出来るだけ試料(蛋白質分子、核酸、酵素)が生理的、生化学的に安定な環境を維持できるように、試行錯誤的に試料室を開発してきた。試料容器としては、直径約5mm、深さ3mm、厚さ数十μmのアルミニウム性の容器が熱伝導に最適であることが明らかになった。この容器の背面に極小なクロス熱電対が接着されている。これまで、本ACCSを用いて、モノマーの22%卵白リゾチーム、ポリマーの22%牛アルブミン溶液での蛋白質分子の構造変性を-10℃〜70℃の温度領域で観測してきた。リゾチーム分子では連続的な構造変調、アルブミン分子では数量体によるイオンクラスターが約65℃近傍以上で分離・解離機構を示す事が明らかになり、本装置系の有効性が確証された。
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