ナノメートルスケールの時間分解分光法の開拓に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13874068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
高木 紀明 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教授 (50252416)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 表面反応 / 走査トンネル顕微鏡 / 超高真空 / 光反応 / 紫外光 / 酸素 / 一酸化炭素 / 表面化学反応 / 銀 / 炭素 / 金 |
Research Abstract |
13年度に続き、A9("0)表面に酸素が吸着してできるAg-Oの1次元鎖の物性と反応を走査トンネル顕微鏡を用いて調べた。この1次元鎖構造は、紫外光励起による鎖の分解反応では、中間体として一酸化炭素ができることが推測される。そのメカニズムを明らかにするために、一酸化炭素と1次元鎖中の酸素との反応を詳細に調べた。表面酸素の被覆率を一酸化炭素の露出量の関数としてプロットすると、酸素被覆率が小さくなると反応速度が大きく加速されるという、通常知られている表面反応には見られない大きな非線形現象が観測された。連続して観測したトンネル顕微鏡像と比較すると、反応速度が加速する被覆率領域では、Ag-Oの1次元鎖は、真直ぐに伸びた構造ではなく、折れ曲がった構造を示しており、この折れ曲がりと反応との間に相関があることが示唆された。低温で一酸化炭素との反応を追跡すると、鎖中の酸素原子は、その吸着位置に応じて一酸化炭素に対する反応性が著しく異なり、鎖の端の酸素しか反応しないことがわかった。従って、観測された反応速度の強い非線形性は、酸素被覆率の減少により鎖が直線構造から折れ曲がり構造に変化し、これにより鎖の端のサイトに吸着している醸素原子と同様の反応性を示す酸素の数が大きく増加するためであると説明される。時間分解STMの実現に向けて、天然マイカ基板上に金を蒸着させて作製した金基盤上に、チオールで保護された1から5ナノメートルサイズの金属クラスタをのせて、STM観測を行った。クラスターは、金基盤との相互作用が弱く、室温で容易に表面拡散することができるため、ほとんどのクラスターが、3次元の島上構造を造り、孤立したクラスターを観測することは困難であった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)