Project/Area Number |
13874103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
遺伝
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
松浦 彰 国立療養所中部病院(長寿医療研究センター), 老年病研究部, 室長 (10272692)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 分裂酵母 / テロメア / テロメラーゼ / 環状染色体 / 細胞周期チェックポイント / 相同組み換え |
Research Abstract |
分裂酵母のテロメラーゼ欠損株、ATM関連因子Rad3 Tel1の二重欠損株ではテロメア機能の低下により細胞増殖の極端な阻害が誘導される。この欠損をバイパスする機構として分裂酵母のもつ3本の染色体が自己環状化する現象を見いだしている。本年度、我々は染色体の環状化によっても細胞周期のチェックポイントに対する異常は観察されないことを見いだした。したがって、染色体が環状となりテロメア末端を失った状態においても、複製過程の秩序だった進行には見かけ上影響がないことになる。しかしながら、我々はテロメアを持たない環状染色体保持株が対数増殖期において細胞周期のM期の細胞を多く含んでいることを見いだした。また、環状染色体保持株の増殖はHU, MMSなどのDNA損傷を誘導する薬剤に対して超感受性を示した。さらに、flap endonucleaseをコードするrad2、recQ familyタンパク質をコードするrqh1の欠損を遺伝的背景に持つ株では環状染色体が極端に不安定化した。両変異株では染色体DNA上に常に損傷が存在し、相同組み換えによりその傷を修復することによりゲノムの恒常性を維持している。これらの結果はつまり相同組み換えが昂進する状態で環状染色体が不安定になることを意味する。実際、染色体環状化によるDNA損傷感受性は相同組み換え欠損と相加的な効果を示さない。これらの結果から、環状染色体のDNA損傷超感受性は相同組み換え系を介したゲノム修復の結果として生じることを明らかにした。近年組み換え修復がゲノムの複製に重要であることを示すデータが蓄積されてきているが、我々の結果は、テロメアが染色体末端として複製と共役した組み換えを正常に完了させるために必要であることを示す。このことはさらにゲノム構造の複雑化と染色体の線状性との間に直接的関係があることを示唆している。
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