高温超伝導体とハーフメタル磁性体のナノスケールでの複合化
Project/Area Number |
13875006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅野 秀文 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50262853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 正顯 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90013531)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | トンネル効果 / ハーフメタル / スピン偏極 / アンデレーフ反射 / 高温超伝導体 / Sr_2FeMoO_6 / 磁気抵抗効果 / Nd_<1.85>Ce_<0.15>CuO_4 |
Research Abstract |
磁性体/超伝導体をナノスケールで複合化した系では、電子の電荷とスピンが関与する新物性、新機能が発現する可能性がある。特に、強相関電子系の酸化物の組み合わせを用いることによって、強磁性"ハーフメタル"電子状態に由来する高いスピン分極率、および高い超伝導転移温度ゆえの強い電子間相互作用を活用すれば、電子スピンと電荷の挙動に依存した現象のスケールを、最大限にまで巨大化することが期待できる。また、この複合系では、アンデレーフ反射、トンネル効果といった基礎物性の面でも興味深い現象が発現することが知られている。そこで、本研究では、これらの遷移金属酸化物を切り口として、ハーフメタル磁性体と高温超伝導体の組み合わせた系を対象としたナノスケールでの複合化を主題として、研究展開を図った。 ナノスケールでの複合化による機能探索のために、優れた界面特性が得られる材料系の組み合わせが重要との観点から、化学的、結晶学的性質の類似した強磁性体/超伝導体の組み合わせとして、2重ペロブスカイト型強磁性体Sr_2FeMoO_6と層状ペロブスカイト型電子ドープ超伝導体Nd_<1.85>Ce_<0.15>CuO_4を選んだ。Sr_2FeMoO_6においては、成長下地単結晶層(SrTiO_3)との約1%の格子不整合でも磁気特性低下をもたらすことを明らかにし、格子不整合率が<0.1%の完全格子整合下地層(Ba_<0.4>Sr_<0.6>TiO_3)を導入することにより、ハーフメタル性の必須条件となる理論磁化(〜3.8μ_B)と高いキュリー温度(400K)を示すエピタキシャル薄膜を得ることに成功した。Nd_<1.85>Ce_<0.15>CuO_4については、Sr_2FeMoO_6と同じ低酸素ガス雰囲気下での成長が可能で、格子不整合率が0.2%と小さいことを利用して、Sr_2FeMoO_6上に20Kとバルク値に近い超伝導転移温度を示す高品質なエピタキシャル薄膜に得ることができた。また、Nd_<1.85>Ce_<0.15>CuO_4上にも高品質なSr_2FeMoO_6が形成可能なことを見出し、交互のヘテロエピタキシーが可能なことを明らかにした。さらに、Sr_2FeMoO_6/Nd_<1.85>Ce_<0.15>CuO_4の間に、Nd_<2-x>Ce_xCuO_4のCe量xを0とした絶縁性Nd_2CuO_4層を挿入してもヘテロエピタキシーが可能なことが明らかになり、Nd_2CuO_4層を極薄化した3層構造において、トンネル効果とアンデレーフ反射を用いたナノスケール領域での界面特性の評価を進めた。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)