Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
平成13年度の研究により微細3次元構造プロセスの見通しを得,その実現性の目処をつけた.そこで今年度は,開口率と機械的強度の兼ね合いの点で有利なハニカム構造からなるガス増幅型X線検出器の設計・試作を行い,本検出器の可能性とその実現性について検証した. その結果, (1).(1)放射光施設(ディープX線リソグラフィー)によるハニカム(PAMA直径3mm,200μm厚,線幅10μm,一辺30μm)構造作成,(2)電極との密着力を高めるための前処理としてのFABエッチング,(3)DCスパッタリングによる電極(約0.5μm, Au)作成,(4)マウント作成,(5)配線ボンディングのトータルプロセスを確立, (2).本検出器はハニカム構造体の上下の面に電極をつけた積層構造体となっており,この電極間で放電に近い状態で電子増倍を引き起こすものであるので,今回は(1)のプロセスで作った同一構造体を2枚接合し,電子増倍された電子を補足するガラス窓のないむき出しのCCDで捕らえるガス増幅型X線検出器を試作, (3).X線を用いて,本X線検出器の検証実験を行った.導電性X線窓を通過したX線の放射光光子と不活性ガス(Ar)との衝突によって発生する電子を種として,この電子貫通孔においてアノードとカソード(電位差を1kv/100μm)との間で増倍,放電させるマイクロチャンバーと貫通孔を通過してきた電子をCCDで捕らえる.ここでアノードと導電性X線窓との電位差は1kv/1cm.その結果,カソードとアノードとの電位差0kvに対し,本検出器ではCCD感度が5倍以上あり,電子増倍されていることが検証できた.この実験を通して,本検出器としてのポテンシャル,可能性と実現性について検証できた. 今後,イメージング検出器としての構造・プロセスの検討ならびに検出回路の検討が残されている.
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