Project/Area Number |
13875044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
功刀 資彰 京都大学, 大学院・工学研究科・原子核工学専攻, 助教授 (40301832)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ナノ粒子 / 人工流体 / 熱物性値制御 / 分散特性 |
Research Abstract |
本研究の期間内に達成すべき目的は2つあった。第1はナノ粒子(数十〜数百ナノメートルのサイズ)を導電性および非導電性液体中に懸濁し、「物性制御を目的としたナノ粒子人工流体」を創製することである。たとえば、高粘性流体は、通常、低熱伝導性を有するが、金属系ナノ粒子を添加してナノ粒子流体化することによって、その流体的特性である粘性を変えることなく高熱伝導性を付与することが可能となる。第2は創製されたナノ粒子人工流体の熱流動特性(電磁特性、熱伝導性、キャビテーション特性など)を明らかにすることである。 14年度は、昨年度製作したナノ粒子人工流体実験装置を用い、物性制御を目的としたナノ粒子人工流体の創製と熱物性値の測定を試みた。導電性・非導電性ナノ粒子およびカーボン・ナノ・チューブの水への懸濁を試みたが、ナノ粒子は互いに凝集するため、少量のアルコールを添加し超音波による攪拌を行った。目視の範囲ではかなり懸濁されたように観察され、ナノ粒子人工流体の熱伝導率測定結果は純粋な水より定性的に高い値を示したが、試験装置を改良し、容器内に対流を生じさせて伝熱面における熱伝達率を測定した。しかし、ナノ粒子人工流体は純粋な水の場合よりも逆に熱伝達率が低下するという結果を得た。測定中の粒子挙動を可視化観察したところ、壁面にナノ粒子が付着している様子が観察された。このことから、流体中にナノ粒子を懸濁した場合、流体自身の熱物性は向上できても、粒子の壁面付着による熱抵抗のために、対流挙動に伴う熱伝達は促進されないことが分かった。これは、ナノ粒子人工流体の一つの目標であった「ナノ粒子人工流体では物性値制御のみによる伝熱制御」は困難であったことを意味しており、本研究の当初目標は達成できなかったが、ナノ流体の熱流動特性を知る上で極めて貴重な知見を得ることができた。今後は、流体側の熱物性の制御性について研究を進めるととともに、伝熱面表面の特性を改良することでナノ粒子人工流体との間でのエネルギー輸送特性を改良する研究へ発展させていく予定である。
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