ポラリトン―プラズモン励起系を利用したコヒーレントテラヘルツ発振素子の基礎的研究
Project/Area Number |
13875069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電子デバイス・機器工学
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾辻 泰一 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (40315172)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | プラズマ共鳴効果 / テラヘルツ / トランジスタ / ポラリトン / プラズモン / 3次高調波 / 光注入同期 / 発振 / 二次元電子液体 |
Research Abstract |
半導体電子液体のコヒーレントプラズマ共鳴特性の解明を目的として、DyakonovとShurの提案した2次元プラズマ電子波に対する流体力学方程式(摂動論的な線形結合近似による1次元モデル)を出発点として電子流体力学シミュレータを構築した。数値解析には有限差分時間領域(FDTD)解析手法を採用した。従来はEuler方程式に則って定式化し、プラズマ電子流体の特性を左右する各種散乱因子:フォノン散乱、不純物散乱、電子間散乱を電子寿命として全て外部摩擦項として簡略化近似していた。本来は、電子間散乱の効果は内部摩擦すなわち粘性項として表現すべきであり、これによる計算誤差の程度を定量的に評価するために、Navier-Stokes方程式に則った定式化を行い、FDTDシミュレータを構築した。テラヘルツ帯共鳴動作が期待できるゲート長0.1ミクロン程度の化合物系微細化HEMT構造を対象として、液体水素温度から室温にわたり各種散乱がプラズマ波動に与える影響を解析した。その結果、フォノン散乱の影響が低下する液体水素温度条件では、共鳴周波数とともに粘性項を外部摩擦として近似する場合には摩擦力が過大評価され、20THzにおいては正規の約3倍程度にもなることが明らかにしなった。一方、室温付近においては、外部摩擦として近似しても大きな誤差は生じないことが明らかになった。両者の定式化において、計算時間に大きな差異は見られないものの、数値解の収束性においては大きな違いが見られ、Navier-Stokes方程式の収束性の改善は今後の課題である。 更に、2次元電子流体シミュレータにより得られた電子濃度と電子局所速度の値を電流源として3次元電磁界シミュレータに与えることにより、プラズマ共鳴からテラヘルツ電磁波放射に至る一連のダイナミクスのシミュレーションを可能とした。ケーススタディとして、2次元電子層がチャネル方向に周期性を帯びた回折格子構造と、単一構造との特性比較を行い、回折格子構造の電磁波放射モード変換機能を確認するとともに、構築したシミュレータの有効性を確認した。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)