トンネル型磁気抵抗の発現を目的とする金属超微粒子分散高分子複合体の調製と物性
Project/Area Number |
13875127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Composite materials/Physical properties
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
出来 成人 神戸大学, 工学部, 教授 (10101065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水畑 穣 神戸大学, 工学部, 助手 (10283871)
梶並 昭彦 神戸大学, 工学部, 助手 (10169443)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 金・鉄合金超微粒子 / ポリアクリロニトリル / ベガード則 / 磁気抵抗 / 電子トンネリング / 金・コバルト超微粒子 |
Research Abstract |
炭素薄幕は高い電気伝導性、光学的異方性といった様々な興味深い物理的性質を有し、また高強度、化学的安定性といった見地からも、工業的に最も興味深い材料のひとつである。本研究ではポリアクリロニトリル(PAN)を用い、内包した金属ナノ粒子の触媒効果により炭素化、グラファイト化を促進させ、金属炭化物などの炭素副生成物の非常に少ない金属ナノ粒子-炭素複合薄膜の作製を試みた。分散質としてAuFe合金ナノ粒子を用い、ナノサイズ化による特異的な挙動について検討を行った。さらにPANの構造変化に伴う薄膜の電気特性及び温度依存性について検討し、本系における薄膜の構造変化が電子輸送特性に及ぼす影響について検討を試みた。いずれの試料も熱処理温度の上昇により薄膜中のsp^2炭素ネットワークが形成、発達しており、Feを混入することでPANの炭化過程に有効な触媒効果を発揮することが示唆される。 Au_<0.25>Fe_<0.75>の組成を持つ試料の加熱処理に伴う電子線回折パターンについて検討を行ったところ、高温での炭化処理によりピークのシフトが見られた。金属の(111)面のd値から算出した格子定数の熱処理に伴う変化については、いずれの組成を持つ試料でも蒸着直後の格子定数はAu単体の場合に近い値をとるが、熱処理温度の上昇に伴い格子定数はVegardの法則から予想される値に近づいた。この結果は、蒸着直後において結晶格子内に大きな歪や欠陥を持ち準安定状態にあった合金ナノ粒子が、高温での加熱処理を加えることにより歪が緩和され、より安定な不規則合金を形成したことによるものと考えられる。すなわち、バルクでは得られないAuFe合金がナノサイズ化にともない発現することが明らかとなった。 AuFe試料の抵抗率の温度依存性から試料の電子輸送は電子のトンネリングおよびホッピング伝導により行われ、温度によって変化することが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)