Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究は,Li-NH_3,アミン溶液の薄層から溶媒を蒸発させて迅速に除去し,Liを析出させることにより金属Li膜を生成させるプロセスについての基礎研究である.本年度は,当初の計画に従い,Li膜を生成させるための多孔質材料の選定に重点を置いて,種々の有機,無機系素材とLi-NH_3溶液の反応性について検討するための実験をおこなった.実験では,213.15〜243.15Kにおいて,真空雰囲気のパイレツクスガラスおよび石英ガラス製のセル内に種々の組成のLi-NH_3溶液を調整し,溶液に試験素材を漬浸して撹拌(円柱状試料の回転などの方法による)を行い,試験素材と溶液の反応に伴う溶液の電気伝導度の変化を測定する方法などによって,溶液内のLi濃度の経時変化を調べた.使用した試験素材は,フッ化樹脂(Teflon),ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック系素材と,グラファイト,リチウムナイトライドの無機系素材である.実験の結果,グラファイト,リチウムナイトライドでは,固体表面の触媒作用によりLiとNH_3間のアミド生成反応が速やかに進行することがわかった.フッ化樹脂の場合,溶液内のLiと樹脂の化合物生成反応が認められ,この反応は液側Liの物質移動と固体内のLiの拡散により律速されることが推定された.ポリエチレンテレフタレートの場合も同様な反応が進行するものと考えられる.これらの結果は,FやOなどがLiに対して官能基として作用することを意味すると考えられる.一方,ポリエチレン,ポリプロピレンでは,溶液と素材の反応は十分遅く,実際に,これらの素材表面にLi膜を生成させることができた.現在,生成したLi膜と素材界面のキャラクタリゼーションと,スプレー法による膜生成について検討を進めている.
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