トランスグルタミナーゼによる機能性タンパク質のin vitro調製法の開発
Project/Area Number |
13875156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物・生体工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長棟 輝行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 典穂 九州大学, 大学院・工学研究院・応用化学部門, 助教授 (50302766)
上田 宏 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (60232758)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | トランスグルタミナーゼ / 酵素的架橋化法 / Lys-tag / Gln-tag / 酵素的架橋法 |
Research Abstract |
本研究では、in vitroでの部位特異的な連結反応によって多機能性融合蛋白質を調製するための新規な手法の開発を目的とした。具体的には、微生物由来のトランスグルタミナーゼ(TGase)が蛋白質表面に存在するLys残基とGln残基を架橋する反応を利用して、異なる機能を有する2種類の蛋白質を連結する方法について検討を行った。その結果、パッキング状態がコンパクトな通常の蛋白質はTGaseの良い基質とはならないことが明らかとなった。そこで、その3次元構造やアミノ酸配列が既知な種々の蛋白質の中から、TGaseの基質になるものを探索した結果、アポミオグロビン、S-tagペプチドがTGaseの良い基質として認識されることを見いだした。次に、これらアポミオグロビン、S-ダグペプチドの架橋されたLys残基とGln残基の位置を、架橋化されたこれらの蛋白質をプロテアーゼ処理し、生成したペプチド断片の質量分析を行うことにより特定した。 ここで見いだした架橋化サイトのアミノ酸配列を参考に、Lys残基のみを有するペプチド(K-tag)、Gln残基のみを有するペプチド(Q-tag)を設計し、これらのペプチド配列を連結したい蛋白質のN末端あるいはC末端に遺伝子工学的に導入し、TGaseによる架橋化反応を行った。抗ニワトリ卵白リゾチーム(HEL)一本鎖抗体(ScFv)のN末あるいはC末にQ-tagまたはK-tagを導入した4種類のタグ付きScFvのうち、N末にQ-tagを導入したもの(Q-ScFv)のみがTGaseに対する高い反応性を有していた。このQ-ScFvとC末にK-tagを導入した黄色蛍光蛋白質(EYFP-K)あるいは酵素アルカリフォスファター(PhoA-K)とをTGaseによって架橋化した結果、これらQ-tagとK-tagの間の部位特異的連結反応により、異なる機能を有する2種の蛋白質が1対1に架橋された融合蛋白質EYFP-ScFv、PhoA-ScFvをそれぞれ高収率に調製することに成功した。さらに、これらの融合蛋白質においては、連結反応前の抗原結合活性、蛍光活性、酵素活性が連結反応後もほぼ100%維持されていることが確認された。それぞれの融合蛋白質を用いて抗原濃度測定を行った結果、EYFP-ScFvを用いた場合には1μg/ml以上のHEL濃度を、また、PhoA-ScFvを用いた場合には1ng/ml以上のHEL濃度を測定することができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)