北部九州における海水温上昇に伴う磯魚の分布変動と再生産撹乱
Project/Area Number |
13876043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中園 明信 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (40038253)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 地球温暖化 / 暖海性稚魚 / 越冬水温 / 分布域拡大 / 北進 / 暖海生魚類 / 幼稚魚 / 死滅回遊 / 海水温上昇 / 暖海性魚類 |
Research Abstract |
15年度年度も昨年度に引き続き、北部九州における磯魚幼稚魚の出現をモニタリングした。15年度も夏から秋にかけて従来見ることの出来なかった多くの暖海性稚魚の出現が見られた。主なものを上げるとコスジイシモチ、ホンソメワケベラ、ナガサキスズメダイ、ニザダイ等である。14年度との大きな違いは14年度に多数出現したイトフエフキが極端に少なかったことである。それに反して、ホンソメワケベラやナガサキスズメダイの数は比較的多かった。イトフエフキは14年度同様の出現を期待していたが、期待に反して少なかったのは14年から15年にかけての冬季が例年になく水温が低かったために産卵親魚群が死滅または分布域が後退したのが原因ではないかと推察された。すなわち、14年から15年にかけての冬季には、例年12℃までしか下がらない沿岸の水温が寒波の襲来で約1週間9℃まで低下した。しかし、寒海性の稚魚の出現は見られなかった。 15年度の観察では、水温13℃まで下がった12月中旬まではソラスズメダイはじめ多くの磯魚幼魚が生息していたが、その御数回寒波が来ており、荒天のため観察が出来ていない。しかし、データ・ロガーで水温を記録中であり、本報告書を提出後であっても、調査を行う予定である。 また、沖合い60Kmにあり対馬暖流の影響下にある沖ノ島においては、14年の寒波襲来時も水温は13℃以上で、多くの暖海性魚類が生息しており、それらが越冬していることを確認している。 以上の3年に亘る観察研究の結果から考えて、水温13℃が暖海性魚類幼稚後が越冬できるかどうかの限界水温になっていると考えられるので、長期的気候変動と磯魚の分布変動との関係を調べるには、水温13℃に注目する必要があるであろう。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)