Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
本研究は2年間(平成13・14年度)の継続研究である。平成13年度はリン脂質が形成する小胞体(リポソーム)に,ターゲティング・リガンドとして牛血清アルブミンを導入した吸着剤を開発し,アミノ酸(トリプトファン)の光学分割に関する研究を行った。平成14年度はこの研究をさらに発展させ,化学分解や生物分解に対して非常に安定な界面活性剤(DDAB)が形成する小胞体(ベシクル)にターゲティング・リガンドとして多糖類を導入した吸着剤を開発し,培養液からのアルギン酸分解酵素のアフィニティ吸着分離を行った結果,以下の成果が得られた。 (1)ビブリオ属の海洋細菌が菌体外に生産するアルギン酸分解酵素は有用であるが,その生産量が極めて少量(1μg/L)であり,しかも培養液中の基質や副産物と同じマイナス電荷を有するため,通常の方法で本酵素を選択的に分離することは非常に困難である。本研究では本酵素の基質であるアルギン酸とよく似た構造をもつ多糖類(カラギナンおよびペクチン)をターゲティング・リガンドとしたアフィニティ吸着分離を行い,これらの多糖類が本酵素の基質であるアルギン酸と同等の吸着定数(結合能力)を有することを明らかにした。 (2)本研究で開発した吸着剤のアルギン酸分解酵素に対する吸着容量は,上記のターゲティングリガンド(カラギナンおよびペクチン)をタンパク質でフロック状に架橋した吸着剤の100倍以上であった。このことから,巨大な比表面積を有するが細孔をもたないベシクル特有の構造が,酵素等の高分子物質を対象とした吸着分離操作におけるターゲティング・リガンドの固定化担体に非常に適していることが明らかになった。
|