時間記憶の形成・維持機構:概日振動ニューロンのネットワーク形成によるリズム共振
Project/Area Number |
13877009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 研一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40113625)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 さと 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20142713)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 時計遺伝子 / 時間記憶 / 視交叉上核 / 線条体 / 概日リズム / 多電極デッシュ / 制限給餌 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
1.Clock変異マウスにおけるニューロンネットワークの再構築と行動リズムの発現 恒常暗で行動リズムが消失するClock変異マウスの視交叉上核を長期間培養し、神経細胞の電気活動概日リズムを個別に測定した。その結果、個々のニューロンでは概日リズムは消失しないが、周期が延長していることを明らかにし、行動リズムの消失が概日振動体の機能停止によるものではないことを示した。行動リズムの消失はリズム周期の延長による細胞間コミュニケーションの不調が原因していると考えられる。また、Clock変異マウスの視交叉上核ニューロンのうち、概日リズムを示すニューロンが極端に減少していることから、真の概日振動ニューロンの数は多くないことが示唆された。以上の結果により、概日振動体ニューロンのネットワーク形成によるリズム共振が個体としてのリズム発現に重要であることを示した。 2.母子分離モデルにおける時間記憶発現のニューロンネットワーク 成熟ラットでは周期的制限給餌が時間記憶形成のモデルとなっているが、幼弱期ラットでは母ラットの授乳時間が概日リズムの母子同調や記憶形成に重要である。そこで、仔ラット視交叉上核に発現する時計遺伝子、Per1とPer2を指標として母ラットの授乳時刻の影響を解析した。その結果、授乳時刻の異なる母ラットに飼育された幼弱仔ラットでは視交叉上核時計遺伝子発現リズムが変化し、変化の方向性はPer1とPer2では異なった。この結果は、幼弱仔ラットでは時間記憶の形成に視交叉上核が関与していることを示す。 また出生1週間母ラットを明期の12時間仔ラットから隔離すると海馬に発現するPer1とPer2の発現リズムが逆転し、さらに離乳期の行動リズムも逆転することを明らかにし、時間記憶に海馬時計遺伝子が関与していることを明らかにした。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)