ネクローシスの初期過程において膜透過性を制御する新規チャネルの同定とその機能解析
Project/Area Number |
13877014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤池 昭紀 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80135558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 利明 京都大学, 薬学研究科, 助手 (10303843)
香月 博志 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40240733)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ネクローシス / アポトーシス / グルタミン酸 / イオンチャネル / 興奮性神経毒性 / カイニン酸 / 神経細胞死 / 活性酸素 / グルタミン酸神経毒性 / ニューロトロフィン / ラジカルストレス / カリウムチャネル |
Research Abstract |
ネクローシスを伴う神経細胞死における諸種イオンチャネルの役割について検討を行い、以下の知見を得た。(1)トリパンブルー排斥法を用いて培養大脳皮質ニューロンにおけるグルタミン酸神経毒性の機序について検討を行った。比較的低濃度のグルタミン酸を24時間処置した時に生じる細胞死は、タンパク合成阻害薬、RNA合成阻害薬、caspase-3阻害薬によって顕著に抑制されたこと、また細胞核の断片化を伴っていたことから、アポトーシスによるものと考えられた。それに対して高濃度のグルタミン酸処置によって生じる細胞死はこれらの薬物によって影響を受けず、核の断片化も観察されないことからネクローシスによるものと判断された。研究代表者らによって見出された新規内在性神経保護物質のセロフェンド酸は、ネクローシスに対する抑制効果をほとんど示さなかったが、グルタミン酸によって誘導されるアポトーシスを顕著に抑制した。(2)培養網膜切片にグルタミン酸あるいはカイニン酸を適用すると、それぞれNMDA受容体チャネルおよびnon-NMDA受容体チャネルの活性化を介して網膜神経節細胞(RGC)の顕著な細胞死が誘導された。いずれの場合も細胞外Ca^<2+>の除去は細胞死誘導を著明に抑制したが、L型電位依存性Ca^<2+>チャネル阻害薬は有意な神経保護効果を発揮しなかった。RGCに対するカイニン酸毒性はCl^-チャネル阻害薬DIDSの適用や細胞外Cl^-除去によっても顕著に抑制され、GABA_A受容体遮断薬とグリシン受容体遮断薬の併用もカイニン酸毒性を部分的に抑制したことから、細胞外からのCl^-の流入がカイニン酸毒性の誘導に重要な役割を果たしていることが示唆された。一方、これらの処置はいずれもグルタミン酸毒性に対して無効であり、グルタミン酸毒性とカイニン酸毒性とはイオン依存性において極めて異なる特徴を有することが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)