アポトーシス細胞のクリアランス機構を応用した新規な遺伝子治療法の開発研究
Project/Area Number |
13877023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武谷 浩之 三重大学, 医学部, 講師 (60222105)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Scramblase / Amino-phospholipid translocase / 遺伝子治療 / 癌細胞 / アポトーシス / 細胞膜リン脂質二重層 / アデノウィルスベクター / アンチセンス法 / 細胞膜 / リン脂質 / ホスファチジルセリン / 癌 / カルシウム / 分子生物学 |
Research Abstract |
本研究は、癌細胞に細胞膜リン脂質局在化阻止酵素(Scramblase)遺伝子を導入することにより、あるいは、癌細胞における細胞膜リン脂質局在化酵素(Amino-phospholipid translocase : APLT)遺伝子の発現を阻止することにより、人為的に癌の細胞膜リン脂質二重層の外層のホスファチジルセリン、(phosphatidylserine : PS)の含量を高め、PS受容体を有するマクロファージ等の貪食細胞による癌細胞のクリアランス能を高めることを目指す新規な癌の遺伝子治療法の開発研究である。このため、過去2年間、研究に用いるヒトScramblase遺伝子及びAPLT遺伝子のクローニングを試みると共に、ヒトPS受容体の機能を明らかにするためその遺伝子クローニングを行ってきた。 先ず、ヒト白血球cDNAライブラリーから既報のScramblase cDNA構造に基づいて作製したプライマーを用いたPCR法により複数のScramblase cDNA断片を増幅し、最終的に全長Scramblase cDNAを得た。このcDNAをアデノウィルスベクターに組込み、肝癌細胞由来HepG2細胞に導入し、Scramblse強制発現HepG2細胞をヒト血中のマクロファージと反応させ、マクロファージによる貪食率を対照細胞と比較した。しかし、これまでの処、Scramblase導入細胞と非導入細胞とでマクロファージの貪食能に有意差はみちれなかった。この理由には、(1)既報のScramblase遺伝子が真のScramblase機能を有する遺伝子ではない可能性、(2)クローニングしたScramblase cDNAのHepG2細胞への導入効率が悪く十分に機能を発現できない、(3)HepG2細胞で発現したScramblaseが機能を発現するには肝細胞固有の補助因子の必要性等が考えられた。今後、Scramblaseに対する抗体を作製し、細胞表面のScramblaseを定量する予定である。一方、APLT遺伝子のクローニングとその細胞導入ベクターの構築については現在進めているところであり、継続して実験を行う予定である。 他方、マクロファージの細胞膜に存在するとされるPS受容体の遺伝子クローニングを行った結果、少なくとも3種類の遺伝子が同定され、現在、それらの機能を解析している。今後、研究成果を論文としてまとめて発表する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)