ホスホジエステラーゼ阻害薬は筋萎縮性側索硬化症の新たな治療薬となりうるか?
Project/Area Number |
13877096
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下濱 俊 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60235687)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 脊髄運動ニューロン / 細胞死 / ホスホジエステラーゼ / アイソザイム / 阻害剤 / 神経保護 / 治療 / 運動ニューロン |
Research Abstract |
我々は、cGMPアナログが急性ラジカル毒性から脊髄運動ニューロンを保護すること、及び、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬が慢性グルタミン酸毒性による運動ニューロン死を抑制することを見出している。本研究では、ラット脊髄初代培養系を用いて各種PDEアイソザイム選択的阻害剤の運動ニューロン保護効果を解析し、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療の可能性について検討した。 培養脊髄ニューロンを低濃度のグルタミン酸とグルタミン酸トランスポーター阻害薬に24時間曝露し選択的運動ニューロン死のモデルを作製した。培地中にアイソザイム非選択的PDE阻害剤であるアミノフィリンを加えると濃度依存性にこの運動ニューロン死が抑制された。同様の保護効果はPDE5,6,7,8,10,11の選択的阻害薬ジピリダモールやPDE5,6選択的阻害薬ザプリナストにも認められたが、PDE1の選択的阻害薬ビンポセチン、PDE2の選択的阻害薬EHNA、PDE3の選択的阻害薬ミルリノン,PDE4の選択的阻害薬ロリプラムには認められなかった。 PDEのアイソザイム選択的阻害薬を用いた実験結果から運動ニューロン保護に関係すると思われるアイソザイムがPDE5または6であると予測された。PDE6は網膜に特異的に発現する酵素であるので運動ニューロン保護効果にはPDE5もしくは未同定の新規アイソザイムが関与していることが示唆された。以上の結果より、PDE阻害剤には運動ニューロン保護効果があり、ALS治療薬としての可能性がある。この保護効果にはPDEのアイソザイムのうち、PDE5もしくは未同定の新規アイソザイムが関与していることが示唆された。今後、in vivo ALSモデルでの検証が必要である.
|
Report
(2 results)
Research Products
(13 results)