Project/Area Number |
13877138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大屋 夏生 京都大学, 医学研究科, 講師 (70281095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 真寛 京都大学, 医学研究科, 教授 (70173218)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 移植腫瘍 / 腫瘍内低酸素 / GFP / 放射光 / 腫瘍内血流 / 放射性感受性 / マウス腫瘍 / 透明観察窓 / 微小血管構築 / 微小血流動態 / 低酸素分画 |
Research Abstract |
平成13年度に施行された、マウス皮膚透明観察窓および放射光を用いた腫瘍血管構築と血流動態の研究により、腫瘍の放射線抵抗性に寄与する腫瘍内低酸素の発生機序と、個々の腫瘍内での酸素状態の空間的不均一性を視覚的に捉えることに成功した。 平成14年度は、腫瘍内の低酸素細胞を、分子生物学的手法でさらに定量的に視覚化することを目的として、GFP(Green Fluorescence Protein)を発現する低酸素応答性ベクターの開発に成功した。まず、マウス細胞株(SCCVII)およびヒト腫瘍細胞株(HT1080、Bellなど)に、d2EGFP(生体内半減期が短い蛍光タンパク質)を連結した低酸素応答性ベクター、およびコントロールとしてCMVプロモーターベクターを導入し、各々安定組み込み株を得た。低酸素応答性ベクターを導入して得られたクローンを、嫌気性培養装置により低酸素培養を行った後、蛍光顕微鏡で観察した。使用した細胞株によって異なるものの数十%の安定組込み株がGFPの細胞内発現を示した。マウス腫瘍に比べヒト腫瘍株において大きな低酸素誘導性を示す傾向が認められた。次に、良好な発現誘導が観察されたクローンを選択し、低酸素培養条件を様々に変化させて、フローサイトメトリーによるGFP発現の定量解析を行った。酸素濃度を変化させた解析では、2%の低酸素培養で蛍光を発し始め、0.2%以下では、1000倍以上の蛍光増強を示した。一方、低酸素培養時間を変化させると、低酸素曝露開始2時間後にてGFP発現の上昇が検出可能であり、その後経時的に蛍光強度が増加した。このクローンを移植したヌードマウスにおいて、適切な励起光とフィルターを利用することにより生体腫瘍内の蛍光の描出も可能であった。以上から我々のGFP誘導発現系は腫瘍内低酸素分画の生体内動態解析において有用な実験モデルとなりうることが示唆された。
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