エリスロポエチン遺伝子発現調節機構:遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
13877156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長谷川 雄一 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00251059)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | エリスロポエチン / 遺伝子発現 / GATA / HIF-1 / L-NMMA / 過酸化水素 / カドミウム / GATA inhibitor |
Research Abstract |
ヒトErythropoietin (Epo)遺伝子のプロモーター領域に存在するGATA配列に、GATAが結合してEpo遺伝子発現を負に制御している。また、エンハンサー領域にHIF-1が結合してEpo遺伝子発現を促進している。この事実のもとに以下の研究結果を得た。 1)腎不全で著増するN^G-monomethyl-L-arginine(L-NMMA)に着目し、Hep3B細胞の実験系を用いて解析した。この結果、NOS拮抗阻害薬であるL-NMMAによりNO・cGMP産生は阻害され、さらにGATA結合活性・mRNA発現レベルが亢進することによりEpo遺伝子発現が抑制されて腎性貧血が発症することを報告した(Blood96(5):1716-1722,2000) 2)この系にL-arginineを前処理することでL-NMMAによるNO・cGMP産生の抑制は解除される。これによりGATA結合活性・mRNA発現レベルは低下して、L-NMMAによるEpo産生抑制が解除され、腎性貧血の新規治療法となることを報告した(Kidney International.61:396-404,2002) 3)H_2O_2はEpo遺伝子発現を抑制するが、HIF-1α鎖の不安定化させると共にGATA結合活性を亢進させることの両機序によることを認め報告した(分子細胞治療12vol1(6)2-8,2000) 4)カドミウムによるEpo産生抑制の機序は、HIF-1結合活性の低下によるためであり、GATAの関与は認めなかった(分子細胞治療12vol1(6)2-8,2000) 5)マウスEpo遺伝子のプロモーターは解明されていなかったが、ヒトEpo同様にプロモーター領域のGATA配列にGATAが結合してマウスEpo遺伝子発現を抑制していることを認め報告した(医学のあゆみ198:731-732,2001) 6)睡眠時無呼吸症候群の重症例を用い、一過性の低酸素刺激による生体のEPO・VEGF反応を解析した結果、重症化するにつれHbが増加するとともにVEGFは約5倍増加したが、Epoは1.6倍と低く一過性の低酸素刺激による反応様式の相違を認め報告した(Blood.98:1255-1257,2001,Blood.99:393-394,2002) Epo遺伝子の発現に関わるkidney inducible element(KIE)を解明する目的で、YACを用いたトランスジェニックマウスでの解析により、Epo発現細胞は腎臓のinterstitial cellであり、KIEは-22Kbpから-8Kbp上流域に存在することを確認した(In preparation)。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)