Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
1.目的:本研究は,大脳皮質層形成過程とりわけ神経芽細胞移動の分子機構を明らかにするため,この過程で機能する重要な転写調節関連因子を新たに同定しようとするものである.そこで,中枢神経系の発生に関与することが最近になって判明した新たな核内受容体遺伝子群(NR2Eサブファミリー)の中から新規重要遺伝子を探索することにした. 2.方法:DNA結合ドメインにおける配列比較をNR2E型核内受容体間で行い,分子進化的に取りうる可能性のある複数の配列を想定した.つぎに,これらアミノ酸配列に対応する塩基配列を作成した.これに基づいて設計した縮重プライマーを利用して,皮質形成期にあるマウス胎仔脳由来全cDNAsのほか,成熟マウス眼球,成熟マウス脳組織由来全cDNAsを鋳型とするdegenerative PCRを施行した. 3.結果:現在までのところ,目的とする胎生期マウス大脳皮質形成期の神経芽細胞において発現する新規核内受容体を見出すまでには至っていない.しかし,網膜光受容体特異的核内受容体として知られるPNRの2番目のZnフィンガーモチーフに極めて類似した配列をもつ新規核内受容体の存在を示唆する結果を得た.それに加えて,PNRが,網膜のみならず胎生期や生後の脳において発現していること,選択的スプライシングによって生じる4種の新たなPNR mRNAが存在することをはじめて見出した.しかしながら,これら4種のmRNAから機能を有する蛋白が産生されるかどうかはまだ明らかでない.
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