膵β細胞の再生・機能維持とSTAT3:Cre-loxPマウスを用いた検討
Project/Area Number |
13877177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梶本 佳孝 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60301256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬屋原 豊 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
山崎 義光 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40201834)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | STAT3 / Cre-loxP / 膵β細胞 / ノックアウトマウス / 早期インスリン分泌障害 / 膵島構造異常 / 耐糖能異常 / 肥満 / インスリン分泌 / ブドウ糖負荷試験 |
Research Abstract |
膵β細胞特異的STAT3ノックアウトマウス(STAT3-insKO)を作製し、以下のような検討を行った。 1)インスリン分泌能評価:膵島潅流実験を行ったところ、STAT3-insKOにおいてグルコース負荷後の早期インスリン分泌障害を認めた。 2)インスリン感受性評価:体重差のない5週齢でインスリン負荷試験を行ったが、コントロールマウスと差を認めなかった。 3)膵島の形態学的、生理学的評価 (1)免疫組織学的検討 (a)グルカゴン染色により、STAT3-insKOにおいてα細胞が膵島の外縁部以外にも分布するなど膵島の形態形成異常が認められた。 (b)膵島面積の検討(H-E染色):コントロールマウスと差を認めず。 (2)膵ラ氏島インスリン含量:コントロールマウスと差を認めず。 (3)RT-PCR法を用いてインスリン分泌に関係する因子のmRNA発現量を検討した。STAT3-insKOの膵島においてGlut2およびSUR1の発現低下を認めたが、その生理的意義は明らかでなかった。glucokinaseおよびKir6.2の発現はコントロールマウスと差を認めず。 4)肥満の背景評価:STAT3-insKOは8週齢より有意に食欲亢進と肥満を示した。レプチン投与実験においてSTAT3-insKOは部分的レプチン抵抗性を示した。本研究で用いたRIP(rat insulin promoter)-creマウスは、膵β細胞に加えて視床下部においてもleakyなcre遺伝子発現を呈することから、恐らくはleptin-STAT3 axisの抑制に伴い食欲亢進がもたらされたと考えられた。 以上のように、STAT3機能の欠失は、膵β細胞においては早期インスリン分泌障害と膵島の形態形成異常をもたらす。また、STAT3-insKOで、恐らくは視床下部におけるSTAT3機能の抑制によると思われる摂餌量増加と肥満が認められ、leptinの情報伝達因子としてのSTAT3の重要性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)