新規接着分子GPI―80のSIRSへの予防・治療への応用
Project/Area Number |
13877180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
仙道 富士郎 山形大学, 医学部, 教授 (80091833)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 好中球 / GPI-80 / 可溶性GPI-80 / 炎症性疾患 / Wegener肉芽腫症 / 慢性関節リウマチ / キメラ分子 / エンドトキシン |
Research Abstract |
申請者は、GPI-80が炎症性疾患における有効なマーカー分子となるかを解析するために、GPI-80に対して特異的な測定系を確立し、各種炎症性疾患における血清中のGPI-80濃度を測定した。炎症性腸疾患であるクローン病の患者血清中のGPI-80濃度が健常人に比べ有意に上昇していたものの、末梢組織への著しい好中球浸潤を伴う潰瘍性大腸炎や慢性関節リウマチでは上昇していなかったことから、これらの疾患を同定するための指標にはならないと考えられた。一方、全身性の血管炎を特徴とする疾患であるWegener肉芽腫症では著しく血清中のGPI-80濃度が上昇していた。この疾患においては疾患の活動期に血清中のGPI-80濃度が上昇し治療を施すと低下していたことから、疾患の寛解・増悪の指標になると考えられた。 申請者はさらに、遺伝子工学的手法を用いてGPI-80と免疫グロブリンのFc部分を融合発現させたキメラ分子(GPI-80-Fc)を作製し、この分子に特異的に結合する分子の検索を試みた。GPI-80-Fcの各種細胞への反応性をflow cytometryを用いて解析したところ、白血球、血管内皮細胞、線維芽細胞との結合性は見られなかった。また、Fc-GPI-80に反応すると血清中の因子を検索したが、特異的に結合する因子を同定することは出来なかった。 申請者は、GPI-80がseptic shockにおける抵抗性に関与するかを解析するために、GPI-80トランスジェニックマウスに致死量のエンドトキシンを注入し、抵抗性に変化が生じるか検討した。その結果、GPI-80トランスジェニックマウスにエンドトキシンを注入したときの致死率は野生型マウスと比べて若干の抑制が認められた。しかし、GPI-80トランスジェニックマウスと野生型マウスでは、起炎剤を注入したときの白血球浸潤数、刺激した好中球のプレートへの接着能、化学走化性に違いが見られなかった。従って、本研究の結果からはGPI-80がエンドトキシンによって誘導されるseptic shockの進行やその抵抗性に関係しているかどうかについて明確な結論を得ることは出来なかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Publications] Koike, S., Takeda, Y., Hozumi, Y., Okazaki, S., Aoyagi, M., Sendo, F.: "Immunohistochemical localization in human tissues of GPI-80, a novel glycosylphosphatidyl inositol-anchored protein that may regulate neutrophil extravasation"Cell Tissue Research. 307(1). 91-99 (2002)
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