劇症肝炎抵抗性モデル動物を用いた肝細胞制御機構の解析
Project/Area Number |
13877201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
三浦 直行 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40165965)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Keywords | 抗Fas抗体 / TNFα / 肝炎 / トランスジェニックマウス / Bax / アポトーシス / GOT / E2F |
Research Abstract |
主に肝臓で発現しているHepatocyte Nuclear Factor-1(HNF-1)遺伝子プロモーターの支配下にヒトRb遺伝子を連結して、トランスジェニックマウスを作製し、2系統のトランスジェニックマウスを得た。抗発癌性が期待されるトランスジェニックマウスにアポトーシスを誘導する抗Fas抗体投与しても劇症肝炎が起こらないことが昨年までの研究で明らかになった。今回、まずもう一つのアポトーシス誘導経路であるTumor Necrosis Factor α(TNFα)を投与して詳しく検討した。コントロールマウスでは、血清GOT,GPTの上昇、肝細胞変性や肝臓出血像が観察されるが、Rbトランスジェニックマウスではトランスジーンのコピー数に比例してGOT,GPTの上昇がほとんど認められないこと、また肝臓出血像はなく小数の炎症細胞の浸潤を認めるのみと言うアポトーシス抵抗性になっていることが判明した。 抗アポトーシス状態の分子的基盤を明らかにするために、アポトーシス関連蛋白をウエスタンブロット解析したところ、Fas,Bcl-2,Bcl-X,Bid,Bad,ICE,CPP32,E2F1,E2F2,E2F3,E2F4,E2F5,p53などには変化がなかったが、Bax蛋白だけがRbトランスジェニックマウスの肝臓で減少しており、抗アポトーシス状態を担っている一つの因子であることが判明した。ただ、Bax蛋白の変化だけではすべての状態が説明できないことから他の分子も抗アポトーシス状態に関わっていることが強く示唆されるので、これらの基礎データを将来の基盤研究へとつなげていきたいと思っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)