子宮内膜癌発生機構の解析-子宮内膜癌で発現亢進/抑制を認めた新しい分子群の機構解析に基づいて-
Project/Area Number |
13877272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信吾 京都大学, 医学研究科, 教授 (30135579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 正人 京都大学, 医学研究科, 助手 (50314208)
刈谷 方俊 京都大学, 医学研究科, 講師 (90243013)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 子宮体癌 / CIRP / Ref-1 / βカテニン / 類内膜癌 / 非類内膜癌 |
Research Abstract |
子宮内膜癌の発癌過程に関与する可能性のある3つの新しい分子cold-inducible RNA-binding protein(CIRP)とRedox factor-1(Ref-1)、β-cateninについて、類内膜癌と非類内膜癌というふたつのサブタイプの差異に注目しつつ検討した。CIRPは蛋白分子の翻訳後修飾により増殖抑制などの多機能性を有することが報告されている。Ref-1は転写因子の転写活性を亢進する機能が知られている。β-cateninは大腸癌などの癌化過程への関与が報告されているWnt signaling pathwayの中心的な分子である。免疫組織化学、western blottingで正常組織、癌組織での発現の差異の有無や増殖マーカーとの発現の相関の有無を検討した。 3)類内膜癌における発現 CIRPは、正常子宮内膜腺細胞では増殖期よりも分泌期に発現が強く、増殖マーカー発現細胞との逆相関から、増殖抑制に関与することが示唆された。これに対し子宮内膜癌では37例中32例(86.5%)で発現は陰性か弱陽性であり、癌化過程の中でdown regulationされることが確認され、正常細胞で増殖抑制と関与することを考えると興味深い結果であった。Ref-1については、類内膜癌で33例中24例(72.7%)、で正常子宮内膜より発現が強く、癌化に伴なう発現亢進を認めた。β-cateninは類内膜癌では癌化に伴ない過剰蓄積を認めた。 4)非類内膜癌における発現 非類内膜癌においてCIRPは発現に定の傾向を認めず、β-cateninは異常発現例は認めなかった。Ref-1は非類内膜癌のひとつである漿液性腺癌で類内膜癌に見られない著明な核内での発現亢進を認めた。 以上より検討した3分子は類内膜癌の発癌過程に関与する可能性があり、非類内膜癌ではRef-1のみ関与の可能性を認めた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)