Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Research Abstract |
平成14年度に行った研究概要は以下の通りである 1.平成13年度に作成した耳鳴モニターを使用し,同意が得られた正常人12名と耳鳴患者12名にSparse sampling法を用いて耳鳴関連脳活動を検討した。 2.耳鳴関連脳活動は,ホワイトノイズを用いて脳活動からホワイトノイズ音がある場合(耳鳴がない状態)からホワイトノイズがない場合(耳鳴がある状態)を引き,さらに,逆相関する部位を耳鳴と関連する部位と仮定(ホワイトノイズ聴取時には脳血流が減少し,ノイズが無い時に脳血流が増加する部位)した。 3.本検査の結果,正常人では,有意の耳鳴関連脳活動は見られなかったが,症例においては視覚野の脳活動が低下することがあった。また,耳鳴症例では前帯状回,海馬に耳鳴関連脳活動が見られた。耳鳴を生じた疾患特異性,耳鳴の周波数やラウドネスと明かな相関を得ることはできなかった。心理テストにはMAS, SDS, CMIを用いたが,前帯状回に賦活がっよく観察された症例ではMASのスコアーが高いことが判明した。検査した症例では,抗うつ剤,精神安定剤を投与し,引き続き経過観察中である。現在,治療経過とともに再検査できた症例は4例と少ないので症例をさらに増やす予定である。 4.音刺激に単音節を用いて,突発性難聴の急性期(発症後1週間以内)と回復期(発症後3-4週間)の反応を検討したところ,急性期すでに健聴人でみられる交叉性投射が消失していることを発見した。この傾向が顕著な症例では,耳鳴や聴覚過敏を強く訴えた。回復期で,難聴が消失し,耳鳴・聴覚過敏が消失している症例では交叉性投射が回復していることがわかった。 5.3,4の結果から,耳鳴には前帯状回活動,海馬活動,聴覚野の音に対する過剰反応(交叉性投射消失)が関与していると推察した。現在本研究の内容に関し論文執筆中である。
|