カスパーゼ活性阻害によるシェーグレン症候群制御法の開発
Project/Area Number |
13877305
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
林 良夫 徳島大学, 歯学部, 教授 (00127854)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | シェーグレン症候群 / 自己免疫疾患 / 自己抗原 / α-フオドリン / アポトーシス / カスパーゼ / モデル動物 / 実験的治療法 |
Research Abstract |
カスパーゼ気質蛋白断片が自己免疫疾患の責任抗原となりうる可能性が強く示唆されてきた。研究代表者は難治性自己免疫疾患シェーグレン症候群の疾患モデルNFS/sldミュータントマウス唾液腺から病因と密接に関連する分子量120KDの自己抗原を分離し、得られたN末端20残基のアミノ酸解析により分断化された膜骨格蛋白α-フォドリンであることを明らかにした(SCIENCE 276:604,1997)。この自己抗原は患者血清、及び末梢血単核細胞とも高率に特異的反応性を示し、ヒト患者と共通した原因抗原であることから、疾患特異性の高い治療法の開発が必要とされている。本研究によって、ヒ卜唾液腺上皮細胞株にアポトーシスを誘導すると120KD断片が産生され、カスパーゼに対する特異的阻害剤によってその断片化がブロックされることが確認された。さらに、モデル動物にカスパーゼ活性阻害剤Z-VADを投与することにより著明な病態抑制効果のあることが確認され、プロテアーゼインヒビターによる自己免疫疾患の新たな治療法の開発が期待される。(α-フオドリンはシステインプロテアーゼに属するカスパーゼによってアポトーシスに伴い臓器特異的に分解処理され分子多型をもたらすことが明らかにされている。シェーグレン症候群患者はしばしば慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原病へ移行することが知られている。従って、本研究結果からアポトーシスの関与する多種類の自己免疫疾患に対する治療法開発への可能性が示唆される。以上の実験的成績から、カスパーゼ基質蛋白の分断化がシェーグレン症候群などある種の自己免疫疾患の病因ないしは促進因子と密接に関連している可能性が明らかとなり、カスパーゼ活性阻害によるシェーグレン症候群免疫制御の実験的治療法が開発された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)