Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
開口放出は分泌顆粒膜に存在するタンパク質と細胞膜に存在するタンパク質の融合によって引き起こされる現象である。神経終末においては,膜に存在するt-SNAREとして,SNAP-25およびシンタキシン1Aが知られている。まず,抗SNAP-25抗体を用いてラット舌下腺腺房細胞における存在を検討したところ,このSNAP-25と思われる分子の検出はできなかった。ところが,抗シンタキシン1A抗体を用いて,ラット舌下腺腺房細胞におけるシンタキシン1Aの存在を検討したところ,ラット舌下腺腺房細胞の膜画分に明らかな抗シンタキシン1A抗体に反応する分子が認められた。さらに,唾液腺でのシンタキシン1Aの存在を確認する目的で,ラット舌下腺,顎下腺,耳下腺から総mRNAを抽出し,ノーザンブロティングを行った。その結果,ラット舌下腺には有意なシンタキシン1Aの発現が認められた。次に蛍光抗体法を用いて,シンタキシン1Aの局在を検討したところ,舌下腺腺房細胞の細胞間接着部位近傍に存在することが認められた。抗シンタキシン1A抗体を用いて免疫沈降法にて結合タンパク質を検索したところ,タイトジャンクションに存在するクラウディン,オクルディンが検出されたが,ZO-1は検出されなかった。さらに,この局在は,クロライドイオン輸送に関与すると考えられているチャンネルの1つであるCLC-2の局在とほぼ一致していた。このことから,シンタキシン1Aはラット舌下腺において開口放出関連タンパク質としてよりもクロライドイオンチャンネルの調節因子として機能している可能性が考えられた。
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