理科の授業における観察・実験の再考と教授学習過程の再検討
Project/Area Number |
13878025
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Science education
|
Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
遠西 昭壽 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20135396)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 淳 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90115668)
川上 昭吾 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10033896)
石田 博幸 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30024003)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 理科授業 / 観察・実験 / 科学館 / 構成主義 / 科学知識 / コミットメント / 教師の役割 / 教授学習論 / 科学観 |
Research Abstract |
現在、理科授業実践において支配的な考え方は問題解決や探究であり、意味学習は発見的でなければならないという考え方が卓越している。このような授業では「・・・すべての事実は、同じように大切であるように見える。その結果・・・中略・・・まだ初歩的な事実を無茶苦茶に集める活動が行われる」とトマス・クーン(中山茂訳,「科学革命の構造」)がパラダイム成立以前の科学者たちについて言及したのと同じ状況が起こっている。「発見」についての信念は自然法則が自然の中に実在しているという、経験主義的信念に強く依存している。もしポスト・モダンの諸科学哲学が自然法則をも含意して科学知識は科学者集団の創造物だとする立場をとれば、授業は全く異なったものに見えてくる。本研究はこのような立場から観察や実験の役割と授業のあり方について明らかにした。 本研究によって明らかになったことは以下の通りである。 1 観察や実験は、それ自体「新しい知識」をもたらさない。 2 「新しい知識」の習得は、観察や実験においてではなく社会的相互作用(関わり)の中で生じる。 3 観察や実験の役割は、アプリオリな理論に対するコミットメントの強化であり、「なっとく」に必要である。 4 観察や実験が有効に機能するには、観察や実験に先立って明確な解釈的理論枠組みを与える必要がある。 1)先行オーガナイザを提示した意味受容学習 2)観察や実験に先立って、理論や概念が競合する場面を設定することが観察・実験の意味的理解に有効である。 5 科学知識は公共の知であり、科学者集団の創造物である。児童生徒が科学知識として知を構成するには、1)児童・生徒の議論に対する教師の制御・介入 2)児童・生徒が科学概念や科学知識に到達したことに対する教師の承認が必要である。 6 児童・生徒は教師の属する科学パラダイムに立っていない。このため「通常科学」は理科授業のモデルにはならず、むしろパラダイムシフト時の「異常な科学」こそがモデルになり得る。
|
Report
(2 results)
Research Products
(14 results)