先天性盲児の空間概念の形成における「オルタナティブ・リアリティ」の成立
Project/Area Number |
13878036
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educational technology
|
Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
棟方 哲弥 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 情報教育研究部, 研究室長 (70229938)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 人工現実感 / 視覚障害 / オルタナティブ・リアリティ / Alternative Reality / 空間認知 / 特殊教育 |
Research Abstract |
研究代表者は先行研究において、頭部伝達関数を使った3次元音源ボードを使って作成したゲーム型の教材システムを作成し、3名の先天盲児に学習セッションを行った。その結果、学習セッションのあとにおいて,音源を定位する精度が向上したことが示唆された(誤差sign-rank-test, p<0.05)(散布度sign-test, p<0.05).これは、人工現実感技術の障害児教育への応用の可能性について実証的なデータを得るに及んだものであり、このことは、空間的な情報を音情報に置き換えて認知学習が成立することを示唆すると考えた。すなわち健常児が認知技能の学習において用いる環境あるいは現実感とは違う代替的な現実を利用することで障害児の認知技能の学習において全く新しい指導法が確立される可能性があった。 本研究では、これを明らかにするために、聴覚人工現実感生成システムと3次元位置センサーを用いて、インタラクティブな学習環境を構成し、先天性盲児を対象として、空間概念の形成における「オルタナティブ・リアリティ」成立を検討することを目的とした。 システムの精度の向上と空間認知の形成におけるオルタナティブ・リアリティの成立を確認するために頭部伝達関数の測定を行い、聴覚人工現実感生成システムと3次元位置センサーを用いたインタラクティブな学習環境を構築し実証実験を行った。 聴覚人工現実感生成システムによる代替的な聴覚空間を利用することで障害児の認知技能の学習において全く新しい指導法が確立されるためには、理想的な音源数の確定とその実現、認知水準に応じたアプリケーションの開発と継続的な実験が必要と考えられた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)