地下水帯における硝酸性窒素の消失プロセスの解明―自然浄化は可能か―
Project/Area Number |
13878095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田瀬 則雄 筑波大学, 地球科学系, 教授 (40133011)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 地下水汚染 / 硝酸性窒素 / 浄化 / 湿地 / 脱窒 |
Research Abstract |
本研究では、硝酸性窒素に汚染された地下水が台地から谷地へ湧出・流出する際に、どのようなプロセスにより消失しているのか、またこのプロセスを継続的に保持している水文地質的条件を、2つの地形・地質条件(+土地利用条件)のもとで観測することにより、解明することを目的にしている。また、消失・浄化が起こる場合と、起こらない場合との比較により水文地質(地下水流動-流向と経路-、帯水層・不透水層などの構成と酸化還元条件などを含む)条件の差異の一般化を行うことを最終目的として実施した。 調査を行ったのは、つくば市内の台地末端部の斜面(10m×15m)と谷地(30m×100m>である。それぞれの上流域は畑地であり、肥料を起源とする硝酸性窒素が流入してきている。詳細な地質調査とそれぞれ100本あまりの観測井戸・ピエゾメータを設置し、地下水の流動と水質(NO_3^-、Cl^-、SO_4^<2->、HCO_3^-、Na^+、K^+、Ca^<2+>、Mg^<2+>、Fe、Mn、ORP、DO、ECなど)の変動を観測した。 これらの観測により、2地域において硝酸性窒素の浄化ゾーンを特定できた。浄化ゾーンは、末端斜面では砂層とローム層の境界で、谷地では再積成粘土層の直下に谷地に沿って馬蹄形で、シート状に存在していた。主要な浄化プロセスは有機炭素を電子供与体とする脱窒であった。3次元的な分布を明らかにできた谷地では年間30kgの窒素がこのゾーンで浄化され、施肥量の約40%であることも明らかとなった。 これらの条件は筑波台地で一般に存在しており、自然浄化が十分期待できる機能であることを示せた。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)