動物ゲノムのレプリコン構造解明のためのDNA複製部位可視化法の開発
Project/Area Number |
13878121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
奥村 克純 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30177183)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | DNA複製 / 染色体バンド構造 / レプリコン / DNAファイバー / 蛍光標識 / FISH |
Research Abstract |
生きている動物細胞に蛍光標識ヌクレオチドを取り込ませ、複製中のDNAをラベルすることで、実際に複製が起こっているDNA領域を視覚的に検出できる技術を確立した。これを用いて、染色体DNAが間期核内でどのような順序、空間的配置で複製されるのかを詳細に解析した。その結果、細抱周期のS期が進むにつれて複製部位が核の内部から外部へと徐々に移動し、それが分裂期染色体のR/Gバンド構造と密接に関連していることを明らかにした。このことから、染色体DNAが一見無秩序に詰め込まれているような間期核内でも、それらは高度に組織化され、DNA複製制御と密接に関わっていると推定した。 また、この方法で複製ラベルしたDNAを細胞核からファイバー状に引きのばし、より高解像度でDNA複製を解析できる技術を確立した。これにより、数千〜数十万塩基対の間隔でゲノム上に存在する複製開始領域を明確に検出することに成功した。これを用いて、細胞周期を同調した培養細胞でS期の最も初期に活性化される染色体複製ドメインを詳細に解析した結果、一つの複製ドメインを構成する複数のレプリコンのうち、最初に活性化されるレプリコンと、最初に活性化されたものに影響を受けて少し遅れて活性化されるレプリコンの二種類が存在することを明らかにした。また、細胞周期ごとに異なる標識を用いて複製ドメインを検出することで、複製ドメイン及び個々のレプリコンの利用(活性化)頻度を調べた結果、特定の複製ドメインはどの細胞周期でも安定に活性化される傾向にあったが、複製開始部位はそれほど厳密に決定されていないことを明らかにした。さらにFISH法と組み合わることにより特定のゲノム領域の解析ができるかを検討したところ、数十万塩基対にわたるマウスメジャーサテライト反復配列のみならず、1コピーしかないロドプシン遺伝子領域においても複製ドメインの構造を解析することに成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)