Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
多細胞生物の生体サイズはそれぞれの種で決まっているが、それがどのように決まり維持されているのかについては不明な点が多い。その機構を解明するために私はもっともシンプルな多細胞真核生物である細胞性粘菌の3種の遺伝子(countin、countin2、countin3)を解析している。countin破壊株は野性株より大きな多細胞体を構築するのに対してcountin2破壊株とcountin3破壊株はともに野性株より小さな多細胞体を形成する。また、3種類の遺伝子破壊壊株細胞を同数ずつ混ぜると野性株とほぼ同じ大きさの多細胞体を構築する。すなわち、countinはサイズを負に、countin2とcountin3はともにサイズを正に調節しており、これらのバランスによって正常な生体サイズが決定されていると思われる。細胞性粘菌には3種類の細胞接着因子が同定されておりgp24、gp80、gp150と名付けられている。countin破壊株はgp24が過剰に発現している(米Rice大学R.Gomer博士による)。一方、countin破壊株ではgp24、gp80、gp150すべての発現量が低下している。countin破壊株ではgp80とgp150の発現量が低下している。そのため細胞間接着はcountin破壊株では強くなっておりcountin2破壊株とcountin3破壊株では逆に弱くなっている。以上のことからcountin、countin2、countin3は細胞接着因子の発現量を制御し細胞集合体の細胞数を制御することにより生体のサイズを決定していると考えられる。
All Other
All Publications (3 results)