機能性ポリホスファゼンを用いた神経細胞の増殖・組織化に関する研究
Project/Area Number |
13878187
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長岡 昭二 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (30254147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 浩良 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (10221897)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 生体吸収性材料 / ポリオルガノフォスファゼン / 生体適合性 / 神経細胞 / イオン注入 / ポリオルガノホスファゼン |
Research Abstract |
生体内吸収性高分子材料は組織・臓器再生の培養基盤材料として検討されており、このような材料を設計する場合、分解された材料が無毒であることだけでなく、組織・臓器の修復に合致した分解速度を有することと、細胞の3次元培養が可能な多孔体構造を形成できることなどが要求される。昨年度は側鎖に多様な置換基を導入でき、ポリマーの物性を幅広く制御できる生体内吸収性ポリオルガノホスファゼンに着目し、その膜の分解性メカニズムと生体適合性を検討した。その結果poly [bis (trifuruoroethoxy) phosphazene] (PbFP)膜が最も速い分解性速度を有していることが示された。水蒸気の収着実験および酸素透過性実験の結果と合わせることにより膜の分解性メカニズムを明らかとした。生体適合性評価ではPbFP膜表面は比較材料と比べて、血小板および好中球細胞粘着を穎著に抑制しており、優れた生体適合性を有していることが示された。しかしながら神経細胞モデル(PC12:ラット副腎髄質褐色由来細胞)の接着性や分化には必ずしも有効ではないことが明らかとなった。これを改良するため、本年度はイオン注入装置を用い、PbFP表面にイオン(He^+;Ne^+,Kr^+)照射を行ない細胞機能向上を目指した。照射時にはマスクを用い、表面にマイクロパターニングを施した。その結果、どのイオン種を照射した部位においてもPC12から突起が伸展し、分化へ移行していることが確認された。異なるイオン種を照射したPbFP表面における、PC12突起長の経時的変化を検討した結果、培養1〜6日目まではイオン種間におけるPC12の突起長に殆ど変化は確認されなかった。しかし、培養9日後のPC12の突起長は、Kr^+<Ne^+<He^+の順に突起が伸展することが分かった。以上の結果より、今回示したイオン照射条件ではPbFP表面へのNe^+照射が最も良好なPC12接着と伸展を示した。さらにイオン照射における条件の最適化を行うことにより、より高次な神経細胞の接着・増殖・分化のマイクロオーダーでの制御が可能であると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)