新たな生物間相互作用が侵入植物の花形質の進化を促す
Project/Area Number |
13J00550
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池本 美都 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 植食者 / 履歴効果 / 表現型可塑性 / 資源投資配分 / 間接効果 / 花食者 / 送粉者 / 共生 / 植物繁殖 / 訪花者群集 / 外来生物 / 群集生態学 / 葉食者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、茎や葉に対する食害の履歴が多回繁殖性植物の繁殖にどのような影響を与えるのかを検証した。 植物は多様な植食者と相互作用しながら生活史を送っている。たとえば成長期に植食者から食害を受けた植物は、資源量の減少により、その年の花数や結実率が減少する。しかし多回繁殖性植物の場合、1年間の繁殖成功は必ずしも植物の生涯適応度を反映しない。多回繁殖性植物はその年の光合成生産物を繁殖だけでなく貯蓄にも振り分けるため、この配分の仕方により翌年以降の生存や繁殖に対する影響が変わり、最終的な生涯適応度を決定する。そこで本研究では食害の状況(いつ、どんな虫に食べられたか)によって、セイタカアワダチソウの繁殖に対する資源投資配分が変化するのかを検証する実験を行った。 前年と当年にアブラムシまたはグンバイの食害を受けた植物の花数と結実率について調べた。結果、前年と当年の食害はどちらも花数に対する資源投資配分に影響することがわかった。前年にいずれかの植食者から食害を受けた植物は、翌年小さいサイズのときには生存のために資源を残すよう、大きいサイズのときにはできるだけ繁殖するよう、体サイズに応じて戦略をスイッチさせるよう適応していた。当年の食害効果はアブラムシでのみ影響がみられた。植食者の種により当年の食害の影響が異なる理由は明らかではないが、食害部位の違いが影響している可能性がある。 結実率は強制受粉により増加したが、前年に食害を受けた場合には、非食害株と比較すると低くなっていた。 これらの結果から、セイタカアワダチソウは日本に侵入、分布拡大していくなかで、世代内でもフレキシブルに表現型を変化させることで環境に適応していったと考えられる。この研究は、世代間の変化(進化)だけでなく、世代内の変化(表現型可塑性)が侵入植物の分布拡大に重要な影響を及ぼす可能性を示した点で重要な結果を示したといえる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)