20世紀ベルギーにおける芸術と地域社会に関する研究
Project/Area Number |
13J00659
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
芸術学・芸術史・芸術一般
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
利根川 由奈 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2014: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 20世紀美術史 / ベルギー / ルネ・マグリット / 文化政策 / アートマネジメント / シュルレアリスム / 現代美術 / 芸術政策 / ブロータース / マグリット |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の私の研究目的は、20世紀ベルギーにおける<作り手―受け手>の関係性を理解するために<展示空間の創造>の例を検討することであった。そのため、はじめに「芸術のオリンピック」と呼ばれ、世界中から各国代表が集うヴェネツィア・ビエンナーレのベルギー館の展示(1954年)を検証し、ベルギー館のキュレーターを務めたベルギー教育省のエミール・ランギの言説、彼のキュレーション方法や先行研究の精査を行った。その結果ランギは、ベルギー館の中心にマグリットを据え、初期フランドル派の画家ヒエロニムス・ボスとマグリットの作品を「幻想性」という曖昧な共通項で括ることによって、当時世界的な人気を誇っていたマグリットを「伝統的なベルギー美術の後継者」として位置付けたことがわかった。また、このビエンナーレの統一テーマは「シュルレアリスム」であったため、ランギは、シュルレアリスムの源流としてボスの存在を示し、パリで生まれたシュルレアリスムの誕生にベルギー文化が深く関わっているとアピールすることによって、フランス文化に対するベルギー文化の優位性を表明したことを明らかにした。 また、アメリカにおけるマグリットの受容にベルギー教育省が関与した可能性を検討し、第二次世界大戦後の芸術政策におけるマグリットの役割を考察した。その結果、教育省は戦後のニューヨークの美術市場においてマグリット以降のベルギー若手作家の宣伝を行うために、マグリットを中心とした展覧会をニューヨークで主催したことが明らかになった。加えて、美術史における従来のマグリット研究では、1940年代後半のマグリットの作風変化は当時マグリットと契約していた美術商のアレキサンダー・イオラスの助言が要因だと指摘されてきたが、筆者は2015年3月のベルギー王立美術館アーカイヴ調査により、この作風の変遷に在アメリカのベルギー観光局長が関与していた事実を確認した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)