動的天体現象に注目した修正重力理論の観測的検証法の研究
Project/Area Number |
13J00755
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(理論)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
棚橋 典大 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013 – 2014
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥2,760,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 修正重力理論 / 相対論的宇宙論 / 一般相対性理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度中に以下の研究を行い、論文作成やそれに基づいた研究発表を行った。 ・Bimetric理論における宇宙論的摂動論(向山信治氏、A.E. Gumrukcuoglu氏、A. De Felice氏、田中貴浩氏との共同研究) 一般相対性理論に変更を施して得られる修正重力理論は、宇宙の加速膨張の起源を与えうるなどといった観点から近年注目を集めている。本研究では、2つの相互作用する計量を持つBimetric模型を改良して得られる理論に注目し、この理論におけるFLRW宇宙とその2次摂動の振る舞いを明らかにした。特に、先行研究によって考察された安定な宇宙論的解に注目し、より拡張された状況における系の振る舞いと安定性条件を明らかにした。本研究内容に基づいた論文をJCAP誌に投稿し、早稲田大学にて研究発表を行った。 ・Lovelock理論における因果性と双曲性 ケンブリッジ大学のHarvey Reall氏、Benson Way氏との共同研究で、修正重力理論の一つである Lovelock理論における因果性と双曲性について研究を行った。Lovelock重力理論はアインシュタイン重力の作用に高次曲率項を加えて得られる修正重力理論の一つである。この理論における重力波の伝搬に注目し、それが因果性や双曲性といった物理的によい性質を示すかについて調べた。様々な背景時空上の伝搬について調べた結果、平面波解上の伝搬については通常の因果律が成立する一方で、ある種の球対称解上では摂動方程式が双曲型でなくなることが分かった。この後者の例においては重力摂動の時間発展が病的な性質を示すようになる。この事実から得られる理論への示唆などについて議論を行った。本研究内容についた論文をCQG誌に投稿し、複数の研究会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Bimetric理論における宇宙論的摂動論、Horndeski理論の拡張について研究を行うという計画を立てていたが、この両者に加えてケンブリッジ大学における共同研究を始め種々の修正重力理論等に関する研究も平行して行うことができた。現時点で論文作成が完了するまでには至っていないものの、そのための準備研究は順調に進んでいる。これらの点から当初の計画以上に研究が進展していると判断する。 平成26年9月1日付けでケンブリッジ大学DAMTP(イギリス)に就職が決定したため、翌年度の交付申請は辞退する。
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Strategy for Future Research Activity |
Horndeski理論等の多スカラー場の場合への拡張に関する研究、Lovelock理論の病的な振る舞いに関する研究などを継続して行い、論文作成および研究発表を行う。また、他の修正重力理論等に関する研究も平行して行い、宇宙論的な観測との比較を行うことを目指す。 Horndeski理論等の多スカラー場の場合への拡張に関する研究に関しては、理論の拡張を行うために必要な計算をさらに進める必要があり、本質的に難しい問題はないものの研究の完了までもうしばらく作業が必要となる見込である。Lovelock理論に関する研究は順調に進展しているため、近日中に論文投稿を行うことを目指す。 平成26年9月1日付けでケンブリッジ大学DAMTP(イギリス)所に就職が決定したため、翌年度の交付申請は辞退する。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)